現在たばこを吸っている人に比べて禁煙した人のほうが、記憶力テストの得点が平均25%高かったという報告が、20日付の科学ニュースサイト、サイエンス・デイリー(Science Daily)に発表された。
同じテストで、たばこをまったく吸ったことのない人の得点は、喫煙者よりも37%高かった。
研究を行った英ノーサンブリア大学(Northumbria University)の心理学者、トム・ヘファーナン(Tom Heffernan)教授は発表資料の中で、「禁煙が健康に及ぼす有益な効果は非常に大きいということはすでに知られているが、今回の研究は、たばこを止めることが認知機能にも有益である可能性を示している」と述べている。
従来の研究では、新しい情報を学習し、後でそれを取り出す能力である「回想的記憶」と呼ばれる記憶が、禁煙すると向上することは明らかになっていた。
今回の新しい研究が扱っているのはこの「回想的記憶」とは別の「展望的記憶」と呼ばれる記憶で、「仕事の後に牛乳を買って帰る」もしくは「毎日決まった時間に瞑想をする」といった、未来のある時点で、ある行動をとることを覚えておくことのできる能力を指す。
一方、喫煙がどのように認知機能を阻害するのかについては明らかになっていないが、研究者たちは喫煙によって、記憶に関連する脳の領域がダメージを受けるのではないかとみている。
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