11年6月期は震災や減損損失計上で最終赤字。12年6月期会社計画は概ね妥当とみる
<再評価には何らかの支援材料が必要>
同社はPV製造装置と材料・部材が今後の収益の柱に成長するとしているが、本格的な収益貢献を確認できるにはもうしばらく時間を要するだろう。株式市場で
再評価されるには、太陽電池や次世代ディスプレイ等の受注モメンタムが一段と加速し、収益貢献のタイミングが想定より前倒しで到来するなどの支援材料が必
要とTIWでは考えている。
<11/6期は想定以上に最終赤字が拡大>
11/6期は前期比5%増収、62%営業減益。営業利益はPV(太陽電池)製造装置の大幅下ぶれに加え、マテリアル事業や一般産業用装置でも収益性が悪化
したことから、2月計画を大きく下回った。さらに、震災関連損失やマテリアル及びマスクブランクス事業の減損損失を計上したことで、最終損益も87億円の
赤字と想定以上に赤字が拡大。
<下期に収益性が改善に向かうとTIWでは予想>
今12/6期業績について会社側は、前期比1%増収、営業利益は同3.8倍の70億円を見込んでいる。受注高はほぼ前期並みを計画。上期は大型液晶パネル
メーカーの減産の影響が残り収益性は低迷が続くとTIWでは見ているが、下期には不採算分野の改善策が奏功し、利益率は改善に向かうと予想。通期でアップ
サイドを期待できる状況にはないが、概ね妥当な計画と判断し、TIW業績予想もほぼ会社並みとした。(服部 隆生)