日銀は7日、金融政策決定会合を開き、政策金利の無担保コール翌日物金利を年0~0.1%に据え置くゼロ金利政策の維持を全員一致で決めた。市場の一部で期待された超円高の是正を狙った追加金融緩和は見送った。円高に加え、欧米経済の減速で国内景気の下振れ懸念が高まっているが、金融市場の動向や先月決めた追加緩和の効果を見極める必要があると判断したとみられる。
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記事本文の続き 会合では、一時1ドル=75円台に突入した円高のほか、欧米経済の減速や財政不安による金融市場の不安定化が、国内経済に与える影響を点検。追加金融緩和の必要性について議論した。
日銀は、国内景気について、円高などの下振れリスクの一方で、東日本大震災で落ち込んだ生産や消費が回復傾向にあることから、「着実に持ち直してきている」とした景気判断を維持。追加緩和の緊急正は低いと判断したもようだ。
日銀は8月4日の前回会合で、開催日を1日短縮し、国債や社債などの金融資産を買い入れる基金を約10兆円積み増し、50兆円程度とする追加緩和を決定。さらに政府・日銀は円売り・ドル買いの為替介入にも踏み切った。
ただ、円高是正の効果は限定的で、同19日のニューヨーク市場で1ドル=75円95銭を付け、戦後最高値を更新。その後も76~77円台で推移している。米連邦準備制度理事会(FRB)は今月20、21日に追加緩和を検討すると表明しており、米国の金利低下で円高が加速する可能性もある。