気仙沼から世界へ 「フェイスブック」で情報発信

AAI Fundさん
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東日本大震災で漁港などが壊滅的被害を受けた宮城県気仙沼市が、復興の歩みや住民の意気込みをインターネットで世界に発信しようと8月上旬、米国発のSNS「フェイスブック」上に特設ページを開設した。プロジェクトには、気仙沼に縁が深い東京のITエンジニアや、米有名雑誌の元編集者、翻訳家らが参加。地元紙の記事を英訳して伝え、市内の活気を伝える写真を掲載するなど、気仙沼の国際化と“未来の創造”に貢献している。(産経デジタル 野間健利)

 気仙沼市出身で、現在は東京都内で暮らす日本マイクロソフトのエンジニア、齋藤玲紀さんは、東日本大震災で親戚を失い、高校のサッカー部の同級生も津波にのまれて帰らぬ人となった。故郷を訪れたのは震災から3週間後。目の前に広がったのは、がれきが散乱する変わり果てた街の姿だった。小雪がちらつく中、齋藤さんは被害の大きかった地域をまわり、カメラのシャッターを切り続けた。

 東京に戻った後、インターネットを中心に気仙沼の現状を訴える活動をしていた齋藤さんに、気仙沼市から連絡が入った。「復興市民委員会に参加してほしい」。すぐに快諾した。

6月21日、気仙沼市役所で行われた第1回「気仙沼市震災復興市民委員会」に出席し、熱気ある議論の中で、復興の現状を世界に向け発信できないか―と考えた。復興会議にも志を同じくするメンバー達がいた。気仙沼の復興を支援するプロジェクト「The Great Challenge」の幕開けだった。

 プロデューサーの任に就いた齋藤さんが、活動を伝える舞台に選択したのは、世界で5億人が利用するソーシャルネットワークサービス「フェイスブック」。そこでは、わずかな例外をのぞき、英語で情報発信することを決断した。震災で打ちひしがれた気仙沼に“未来”を創造するためには、国際的な知名度を高めるべきだと考えたからだ。

 特設ページの名称は、未来への希望を込めて「KESENNUMA-BUILDING FOR THE FUTURE」とした。気仙沼市周辺で発行される地元紙「三陸新報」からは、記事を英訳して掲載する許諾を得ることができた。8月8日にオープンした特設ページは、すでに世界各国から500人を超える読者を獲得している。

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