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美術品市場にわかに活況

8月23日(ブルームバーグ):株式市場はここ数週間大きく変動した。そんな中、ニューヨークを拠点とするアートディーラー、アッシャー・エーデルマン氏の元には顧客から所蔵する美術品を売却したいという電話がかかってくるようになった。パブロ・ピカソやロイ・リキテンスタイン、ロバート・ラウシェンバーグなどいずれも20世紀を代表する画家たちの作品だ。

  エーデルマン氏によると、収集家や投資家、ディーラーなどの売り手は、数週間前の水準を約20%下回る価格でも売却を望んでいる。

  「大きな懸念要因があるのだと思う。人々は世界で起こっている事態について恐れを抱いており、美術品を売却して手元で現金を保有したいと考えている」と指摘する。エーデルマン氏はウォール街の元投資家で、美術関連の金融会社アート・アシュアの創業者。

  今月はダウ工業株30種平均など株式相場が乱高下し、12日終了週には4日連続で400ポイント以上変動した。4日連続でこのような市況が続いたのはこれまでで最長となる。

  ウェルズ・ファーゴ・アドバンテージ・ファンズ(ウィスコンシン州)のチーフ・ポートフォリオ・ストラテジスト、ブライアン・ヤコブセン氏は「株価が下落すれば多額の追い証が必要になるため、市場関係者はいかなる形でも流動性を見いだそうと模索する」と指摘する。

  一部のオーナーは個人的に売却し、オークションでの失敗のリスクを回避しようとしている。オークションに出品する前に第三者による財政上の保証を得ようとするケースもある。オーナーの多くは信用限度額の設定を受けるために美術品のコレクションを利用しているという。

              流動性を求めて

  米シティバンクのプライベートバンキング部門で美術品アドバイザリー・ファイナンスサービスを担当するディレクター、スザンヌ・ジョージー氏は「ここ3カ月間、美術品を借り入れの担保とすることを望む新規顧客が増えている。これらの顧客は市場が変動するとみており、投資機会のために利用できる流動性を求めている」と語る。

  美術品を担保として融資するアート・ファイナンス・パートナーズ(ニューヨーク)のパートナー、メガン・カールトン氏によると、同社でも今月に入って問い合わせが急増している。

  カールトン氏は「人々は、今後30-60日間の資金源がどこになるのかを判断する必要がある。短期的な流動性の問題だ」と指摘する。

  収集家が変動率の大きい資本市場の代替として美術品市場を見ているため、最高級の美術品の市場が恩恵を受ける可能性が高いと、ディーラーやアナリストはみている。

  スカテス・アート・マーケット・リサーチの創業者、セルゲイ・スカテルスチコフ氏は電子メールで「世界中の多額の純資産を保有する個人が価値保存の目的で最高品質の美術品に再配分する資金を増やしているため、この秋のオークションシーズンは非常に力強いものになりそうだ」との見方を示した。

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