私(かかし)が参加している投資勉強会の仲間、沢村十四郎氏をご紹介したいと思います。エンジニアのバックグラウンドを持ち、独創的な投資センスにあふれ、そして何よりも素晴らしいパフォーマンスを維持し続けている投資家で、現在はご自身の投資顧問会社を経営されています。
本人は「独断と偏見に満ちた」投資見解を公表されることに多少躊躇されているのですが、まさにその「独断と偏見」こそが、最も魅力的なところです。
長めのレポートであるため、何回かに分けて掲載させていただきます。
それでは、以下「沢村十四郎レポート」をお楽しみください。
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沢村十四郎レポート2011年8月(その1)
【1】 はじめに : 経済概観
このレポートを一度、作成した後、配信前に相場のクラッシュが発生しました。
予測レポートのつもりがクラッシュ原因の解説になってしまいました。ただ、
市場のクラッシュは、かなりの頻度で発生しますから、このレポートに目を通す
のは、無駄ではないと思います。今後の事前対策に役立つと思います。
米国の金融と家計は住宅バブル破綻後の金融恐慌から立ち直っていません。政治
もネジれ国会状態で与野党が対立して機能していません。現状ではFRB頼みに
なっています。欧州も南欧の財政悪化が深刻で、ギリシャのデフォルトが
イタリア・スペインに波及してきました。新興国では、世界的な金融緩和の影響で
インフレが進行し、低所得者層の生活を直撃し、政治的に不安定化しています。
インフレ抑制のために引き締めへ方向転換しつつあり、そのため、景気が悪化して
高い成長が困難になりつつあります。
一方、日本は東日本大震災と福島原発事故によるダメージが深刻であるにある
にもかかわらず、政治が空転し、迅速な対応がなされず、復興の見通しも立って
いません。膨大な国債がある状態で復興資金、原発賠償金を調達しなければならず、
財政の悪化は深刻度を増しています。
経済状況が危機的状況にある場合は、通常、現金比率を高め、リスクフリーの
国債比率を増やしてポートフォリオを構成するところですが、それが通用しません。
現金で預貯金にすると、金融機関はその資金で日本国債を買います。したがって、
資産を預貯金で構成した場合、間接的に日本国債で構成することになります。日本
国債の信用度が低下した現状では、預貯金のみの資産構成では保全できない危険性
を考慮すべきです。また、世界的には米国債が受け皿となってきましたが、今回の
デフォルト騒動で、長期的には米国債頼みの運用は難しくなりました。リスク分散
をさらに進める必要があります。このレポートはその手助けになる情報を提供する
ことを目的にしています。
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