新製品の販売が本格化するまでは苦戦か
<アリセプトの北米特許満了の影響が本格化 >
10年11月に北米特許が満了したアルツハイマー治療剤アリセプトの減収が本格化している。抗潰瘍剤パリエット/アシフェックス(北米は13年5月)も同
様な状況が予想される。焦点はこの主力2剤に代わる新製品に移る。乳がん治療剤ハラヴェン、てんかん治療剤ぺランパネル、MGI製品等によりがん、脳・神
経領域へ新たな飛躍を図るがこの主力2剤が大型製品であるだけにその穴を埋め切れないのが現状だ。他社製品の導入等で急落は回避できそうだが、業績回復は
ハラヴェン販売の本格化(16/3期会社目標10億ドル)まで相当苦戦すると予想する。株価も当分冴えない展開を予想する。
<がん関連製品など新製品が伸長>
12/3期1Q(4-6月)は前年同期比18.2%減収、32.3%営業減益となった。減収(-371億円)の主因はアリセプト(-409億円)にあり特
に米国(-455億円)の落込みが大きかった。主力2剤を除くと、がん関連製品(+37億円)、ハラヴェン等の新製品群(+73億円)などが寄与し増収と
なった。営業利益は売上総利益は減少したものの販管費、研究開発費の削減が奏功しより小幅な減益(-106億円)に止まった。
株価は12/3期業績を睨んだ動きになると予想する。会社計画通り(9.0%減収、3.6%営業減益)であれば現水準維持、多少なりとも下振れると売り圧力が高まろう。TIW予想PERは妥当な水準だが11/3期実績PBRは同業と比べ割高感がある。(森田 青平)