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DJ-米銀大手ウェルズ・ファーゴ、4-6月期は29%増益

ニューヨーク(ダウ・ジョーンズ)米銀大手ウェルズ・ファーゴ(NYSE:WFC)が19日発表した4-6月期決算は、貸倒損失の減少と企業向けの融資需要の増加が寄与し29%の増益となった。

ジョン・スタンプ会長兼最高経営責任者(CEO)は「景気回復への足取りは予想より依然緩やかだが企業が成長に向けて投資する兆しがみられる」と述べた。

しかし、最大事業の消費者向け銀行部門が引き続き振るわず総収入が前年同期比4.7%減の204億ドルと落ち込んだ。先行き不透明な時期にあって収益改善が大半の銀行の経営課題になっている。

保有資産全米4位のウェルズ・ファーゴでは貸倒引当額が、回収不能とみなして実際に貸倒償却した額より10億ドル少なかった。ティモシー・スローン最高財務責任者(CFO)は投資家向け電話会見で、引当金の戻入はさらに増加するとみているとした。

4-6月期では貸倒引当金が18億ドルと半分近くに減り、39億ドルとなったこの4-6月期の過去最高益の要因ともなった。

ウェルズ・ファーゴは商業融資において全米最大の実績を誇り、資本市場での事業展開や企業向け融資事業の拡大を図ってきた。

商業融資は1,570億ドルと前年同期比7.5%増、前四半期比4%増だった。商業不動産分野の業績も引き続き伸びているほか企業向け融資からの収益が56億ドルと前四半期比3%増だった。

消費者向け融資事業の収益は前四半期比で横ばい、計上収益全体もほぼ横ばいだった。

住宅ローンの組成額では全米トップだが、4-6月期はローン組成手数料収入が16億ドルと前年同期および前四半期と比べ20%減少した。ただ組成額は60億ドル増加して510億ドルに達した。

ソブリン危機にあるEU諸国への融資においては他の大手銀行ほどの懸念はない。欧州への投融資残高はバンク・オブ・アメリカ(NYSE:BAC)が167億ドル、JPモルガン・チェース(NYSE:JPM)150億ドルであるのに対してウェルズ・ファーゴは32億ドル。

4-6月期決算は1株利益が70セント(前年同期は55セント)。総収入は204億ドルだった。トムソン・ロイターがまとめたアナリスト予想は1株利益が68セント、総収入は205億ドルだった。

1月の時点で大手銀行としては初めてコスト削減に踏み切る意向を示し、19日には具体的に来年末までに12%の経費を削減したい考えを明らかにした。4-6月期のコストは前年同期比2%減の125億ドルだった。金融大手は収入の伸び悩みをコスト削減で乗り切ろうとしている。

回収不能とみている融資債権と貸倒償却を合わせた割合はローン債権全体の1.52%と前年同期の2.33%、前四半期の1.73%から低下した。

同社株の19日終値は前日比1.54ドル(5.69%)高の28.41ドルだった。
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