「肝心要(かんじんかなめ)」という言葉があるように、肝臓は人体の中でも大きな役割を持っている。重さ約1200~1500グラムと最も大きな臓器であるとともに、500種類以上の生化学反応をつかさどる「化学工場」として体中の細胞を養っている。
一方で「沈黙の臓器」と呼ばれ、病気を患っても自覚症状が出にくいことでも知られる。生活習慣の変化も影響し、肝機能異常がある人は平成21年までの25年間で、ほぼ3倍に増加。そのうち、約7割は健康診断などの際にたまたま発見されたという。肝臓を健康な状態に保つには日頃からの対策が“肝要”なのだ。
肝臓の主要な役割に「解毒」がある。日々の生活で体の中に取り込んでしまう化学物質を包み込み、体外に排出する重要な機能だ。この解毒機能を、発芽したばかりの「発芽ブロッコリー」が強めてくれることが分かってきた。米国の研究では、がん抑制にも効果が見られるという。次回からは肝臓の解毒機能と発芽ブロッコリーについて、より詳しく紹介する。