【書評】 『名文探偵、向田邦子の謎を解く』鴨下信一著

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内側から見た作品の秘密


 没後30年ということで向田(むこうだ)邦子の関連本が目に付くようになったが、本書には特別な意味がある。久世光彦(くぜてるひこ)亡き後、向田に興味がある者にとっては長く待たれていたものだったからだ。それは著者が生前の向田と一緒にTBSのドラマを作ってきた演出家であったことによる。著者はコメディーの代表作「寺内貫太郎一家」を久世とともに演出し、最後の連ドラとなった「幸福」もメーンで手がけている。そのことで“内側から見た向田像と作品の秘密”が語られることとなった。

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