都会の川には裏通りの匂いがする。高度経済成長時代に、都市は河川に背を向けた。次々に埋められ、蓋をされ、残った水路もコンクリート護岸で囲われた。屋形船やボート、それに釣りのような娯楽はなんとか生きのびているし、親水空間だって造られている。それでも都会の河川は、いつもどこか窮屈そうだ。
熊切圭介氏が2003年から今年までかけて、東京の河川や運河を撮り歩いた作品集。情緒を抑えたクールな視線が印象的だ。複雑な人工物の隙間を流れてゆく水の諸相は、自然と社会、あるいは環境と人間との関係性をはっきりと描き出している。
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