会社には、やる気のある人もいればやる気のない人もいる。
そんな会社って、いったいなんなんだ?と思っていたときに、この本を見つけた。
著者は大谷百里子という、吉本興業で働いた後、会社を創った人。
教訓の連続
著者は吉本興業で数多くの経験を積み、その中でも強く影響を与えた教訓を著している。
吉本から儲けようと思たらあかんで。『吉本と仕事してます』って言って信用させて、他の会社で儲けろ。で、また吉本に還元せーよ。
これはあまりに当り前のことだが、うっかりしているとはまってしまう。会社にいれば残業代を請求できるけれども、それは仕事のあるべき姿ではない。
上の一節は、そういった警告だけではなく、他の会社で儲けろという解決策を出している点でとても心強い言葉だと思う。あたりまえなのだが、
窮地に立たされると当たり前のことにも気づけないものだから。
他社から儲けるとなると、人脈も必要になる。人脈というのは、どんなに小さな縁をひとつずつ大切にするかだ。
私が気づかされたのは、人脈と付き合いは別ということだ。木村さんという著者の昔の上司は、お酒も飲まない、麻雀もしない、ゴルフもしない。
だけどネットワークは広かった。フットワークを備えた上で、小さな縁を大切にするのが、人脈づくりの基本なのだろう。
フットワークというのは、自分が「会いたい」と思った人間には自分で「会いに行け」ということだ。会うことで、著者は P.84 にあるような
仲間入りができるようになったのだ。著者は今や「人脈の作り方を講演してくれ」と言われるほどの人脈マスター。
私も積極的に外へ出てみようと思った。
先達の よりすぐりの教訓が詰まった本だ。
納得できる仕事とは何か
存在価値のある仕事が、納得できる仕事だと著者は書いている。それは著者に「必要な人間」でありたいというポリシーが
あるからなのだけど。ただ、仕事のありかたというのはそんなに簡単に説明できるものではない。お金も絡めば人脈も絡み、その上自己実現もついてくる。
P.142 には存在価値という一言でしか書かれていないが、そのあとを読むと仕事の多面性が見えてくる。
中村修二が書いた『成果を生み出す非常識な仕事術
』の中にある話も書かれている。
この部分は、著者が年を経てからたどり着いた答えだが、本質は最初からわかっていたのではないかと思う。
P.33 で、入社したての著者の意志が、驚くほど具体的に書かれている。ここまで具体的な意志を持っている人は珍しいと思う。
そんなこと言ってないで、早く私も具体的な人生の目標を、と気づかされた。
目標や夢は、生きる原動力である。