■現代版「苦悩のススメ」
サブタイトルなしの直球勝負が潔い。出版界の風雲児、幻冬舎の見城徹(けんじょう・とおる)社長と、IT起業家の代表格、サイバーエージェント社の藤田晋(すすむ)社長という意外性のある経営者の“共演”も話題だ。
6月の刊行から1カ月で4刷8万部。東日本大震災以降、ビジネス書が苦戦する中、20~30代の男性を中心に支持を広げている。
「『上司の言っていることと全く逆』という読者の反応が多い。よくビジネス書でもてはやされるスマートな仕事の逆を行く『悩みはあって当然』とどっしり構える姿勢が、ビジネスマンの励みになっている」と、担当編集者の原田隆さんはみる。
〈小さなことにくよくよしろよ〉〈スムーズに進んだ仕事は疑え〉。目次はさながら現代版「苦悩のススメ」だ。60歳の見城氏が過去の経験をもとに、刺激的な言葉をつづる。それを38歳の藤田氏が若い世代に向けて“翻訳”し、ビジネスの鉄則を浮かび上がらせる。