7月14日、中国が下半期のレアアース輸出枠を引き上げ、通年で前年並みに。江西省のレアアース採掘場で昨年10月撮影(2011年 ロイター) [拡大] 【北京/上海 14日 ロイター】 中国商務省は14日、2011年下半期のレアアース(希土類)輸出枠を1万5738トンに設定したことを明らかにした。
前年同期の7976トンからほぼ倍増し、上半期の1万4446トンからも拡大する一方、通年では3万0184トンで、4割削減した前年の3万0258トンにほぼ並ぶ水準となった。
欧州連合(EU)の報道官は、安定供給をめぐる懸念を払しょくする上で、今回の中国の対応は十分ではないと指摘。「通年でみれば、EUに輸出が認められるレアアース量に目立った変化は見られない」と述べた。
また米通商代表部(USTR)の報道官は、「レアアースを含む原料について、市場をゆがめる輸出規制を中国が利用していることを、われわれは深く憂慮している」とした上で、今回の決定について「中国が向かうべき方向ではない」と語った。
世界貿易機関(WTO)の紛争処理小委員会(パネル)は今月5日、中国による一部鉱物資源の輸出規制はWTO協定に違反するとし、米国やEU、メキシコの訴えを認める判断を示している。
レアアースはハイテク製品の製造に欠かせない材料だが、世界全体の供給量に対する中国産の割合は97%と、ほぼすべてを占めている。
2011/07/15 7:05