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米CMS:アバスチンによる乳がん治療、引き続き保険対象に





DJ-米CMS:アバスチンによる乳がん治療、引き続き保険対象に

2011-07-05 00:31







チューリヒ(ダウ・ジョーンズ)米保健福祉省傘下の連邦機関メディケア・メディケイド・サービスセンター(CMS)は、スイスの製薬大手ロシュ・ホールディング(ROG.VX)の抗がん剤「アバスチン」の乳がん治療への使用を引き続き保険対象にすると発表した。ただ、今後ついては選択肢を検討するとも述べた。

米食品医薬品局(FDA)の諮問委員会は6月29日、アバスチンの乳がんの適応症承認を取り消すよう勧告した。マーガレット・ハンバーグ局長が近く最終判断を行うものとみられる。

否定的な判断が下されれば、ロシュは乳がん治療薬売上高の全部または一部を失う公算が大きい。政府や民間保険会社がアバスチンへの費用負担を差し止める恐れがあるためだ。

CMSのドナルド・マクラウド報道官は「現時点でFDAの動きは、CMSによるアバスチンの費用負担に影響していない」とした。「FDAの継続的見直しの一環として、諮問委員会が採決にかけたことは認識している。事態の展開につれて当方でも評価を続け、選択肢を検討する」と述べた。

また「メディケアが保険対象に関する新たな決定をするためには全国的な分析が必要だが、今回そうした分析を行う予定はない」とした。

CMSがFDAの判断にかかわらずアバスチン治療への費用負担を行うと発表し、ロシュの株価は1日の取引で上昇した。CMSの姿勢はロシュに一息つく余地を与えるものだ、とゴールドマン・サックスのアナリスト、ケユル・パレフ氏は評し、「期待度が極めて低いなかでは、それなりの好材料と考えられる」と語った。

ロシュはこれまで、転移性乳がん治療におけるアバスチンの有効性を繰り返し訴えてきたが、米当局を納得させるには至っていない。同社では、特に欧州の医薬品当局がアバスチン支持を打ち出し、最近適応拡大を決めたことから、FDAとの問題も解決されることを望むとしている。
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