23年前の未解決少女暴行殺人事件の殺人現場で、再び少女が失踪する事件の謎を
追うドイツのサスペンス映画。ツタヤ新作コーナーにあり。
結論は「上の下」
物語は最初の少女殺害事件から始まる。
犯人は2人組で、主犯は性的異常者として描かれており、悪役としての存在感を
はっきりと主張する。だから行為そのものに迷いがない。
共犯は自己主張をあまりせず、あたかも自分も事件にまきこまれてしまった
一人のように偽善的な態度をとり続ける。
よって犯罪を止められなかった自分に対する苦しみから逃れるため別の人生へ
旅立っていく・・・。
そして23年後。
亡くなった娘の母と当時から捜査を担当した刑事の関係、妻をがんで亡くした
その老刑事の息子の苦しみ、次の事件の犠牲者の両親など多くの人間関係が
からみながら物語は淡々とすすんでいく。
んー、奥が深い。
自分が誰の立場で物語の進行を追えばよいのか、迷った。
そして話の途中から、共犯に自分を置き換えて見ようと決めた。
するとこの23年の重みが「ずしり」とのしかかってきた。
幸せな家庭を築きあげ、社会的にも成功の道を歩んできた自分。
しかし、そんな一見幸せな自分の人生の中での大きな汚点、それは
「共犯者」
23年前、日本はバブルの香りが残っていた。
自分も気づかぬうちに「共犯者」になっていないことを願う、心のそこからそう思った。