解決策のない不安の煽り

yuhsanさん
yuhsanさん

今日、娘から電話があり、孫娘が風邪を引いて学校を休むという。「放射能の影響かしら?」という。もちろん冗談なのだが、あれほど放射能汚染について報道されると、本当に大丈夫かなという心境になる。


日曜日のマスコミ報道は、日本全国で放射線量の高い場所探しに終始し、ホットスポットを見つけると鬼の首を取ったような騒ぎである。マスコミも煽りすぎを心配してか、とってつけたように、放射線医療の専門家を引っ張り出して健康被害への影響を聞くのだが、先生も「当面は健康への影響はないが、長い間には問題が出てくるかもしれない・・・」と、自信のない態度で答える。


福島原発事故でわれわれが、今もっとも知りたがっているのは、復旧対策でもなければ安全な運転方法でもない。長期に及ぶ人的被害の影響だ。


この情報を最も持っているのは、アメリカとロシアだ。アメリカは原爆の被災地に乗り込んで、被災者の放射線被害の影響をいち早く入手し、膨大なデータを持っている。ロシアも、チェルノブイリ事故による被害者の影響について、長期にわたって細かく調査している。これらの国では、原爆が及ぼす戦略的な効果を検証するために、この種のデータが絶対に必要だからだ。


とはいっても、これらのデータは軍事機密に属するためか、今のところそれらしきものが両国政府から届いたというような話はない。あるいは、秘密裏に日本政府に伝えられているのかもしれないが、集団ヒステリーをいっそう煽るようなものであるため、公表を控えているのか・・・。


放射能汚染のデータも、原発事故発生直後ならそれなりの対応もできただろうが、この時点で公表されても、どうにもならない。


マスコミも、解決策のない現時点で、いたずらに不安を煽るような報道はやるべきでない。むしろ、われわれがもっとも知りたいと思っている長期に及ぶ人的被害の影響について、総力を挙げて取材し発表して欲しいものだ。


今日本中が全力でやらなければならないのは、
   これ以上絶対に福島から放射能を出さないこと、
   放射能汚染が人体にどのような影響を与えるかを、世界中の専門家からの意見として集約すること、
に尽きる。


今後のエネルギー政策をどうするかは、それからの問題だ。

yuhsanさんのブログ一覧