日銀が17日発表した2011年1~3月期の資金循環統計(速報)によると、家計と民間企業が保有する金融資産残高のうち3月末に「現金・預金」が大幅に伸びた。東日本大震災を受け、流動性の高い資産を手元に確保する動きが強まったことが背景にある。
家計が持つ現金・預金残高は3月末で816兆3862億円となり、1年前に比べ1.5%増加。企業が抱える現金・預金は211兆1236億円と7.1%増え、四半期末で初めて200兆円を超えた。企業の場合、前年12月末と比べると7.3%も伸びている。
家計、企業ともに定期性預金よりも流動性預金を積み増しており、家計では1年前に比べ4.3%、企業は9.7%それぞれ残高が増えた。
震災の影響は銀行の融資先にもあらわれている。3月末の国内銀行の貸出残高は約447兆円3000億円と前年12月末に比べ2%増えた。電気・ガスなどへの貸し出しが1兆8000億円、金融保険業向けが1兆6500億円増えた。〔日経QUICKニュース〕