運とツキ

yuhsanさん
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会社に入ったころ、先輩からよくマージャンに誘われました。彼は「便所の月見ウンとツキ」といいながらマージャンをやっていました。運とツキがマージャンだといいたかったようです。もっとも今のトイレには、窓がありませんから、この川柳の意味をすぐ理解できる人は少ないと思います。


ところで彼はめっぽうに強く、とても運とツキで勝っているとは思えません。どうやら、後輩から小遣い銭を巻き上げる口実にしていたようです(その分、彼には飲み会でずいぶんご馳走になりました)。


ところで仕事の世界ではどうでしょうか。実力というより、ミツギとゴマスリで社長になった人もけっこういるようです。ただ本人は、運とツキで出世したとは決していいません。


株の世界でも、運とツキはできるだけ遠ざける傾向にあるようです。もし、運とツキがすべてだなんてことになると大変です。投資はギャンブルだということになって、証券会社もアナリストも飯の食い上げ、国会は蜂の巣をつついたような騒ぎになります。


投資も出世も、努力と英断の成果で、運とツキには関係ないとしたほうが、都合がいいのかもしれません。


私の株人生では、90年バブルで大儲けをした後、株の評価額が2分の1になったときが、92年、97年、02年、08年と4回あります。このうち97年は、退職金までつぎ込んだにもかかわらず、10分の1にまで落込みました。このときばかりは、さすがにカミさんにあわせる顔がなく、夜逃げを考えました。でもどうにか生活保護世帯までは落ちないで、なんとか株人生を続けています。
でも今にして思えば、運命の糸に操られて右往左往していただけだったともいえます。


今回の暴落相場では、東京電力を持っていなかったため、私はそれほど大きくやられませんでした。東京電力を買わなかったのは、大型公共株は値動きが乏しく、配当がよいだけでは、ポートフォリオに組み込まなかったからです。ただ、これも運がよかっただけかもしれません。


あまり運とツキを強調してしまうと、株は面白くなくなります。いくら勉強しても、いくら自信があっても、明日の株価を予測することはできません。それでも3ヵ月後あるいは1年後だと、予測の精度は上がります。株から運とツキの影響を薄めるのは、長期に保有すれば可能です。それでも運とツキの世界から、完全に逃げるわけにはゆきません。


運とツキは過大に期待しないまでも、呼び込む努力をしたほうがいいようです。

 

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