負け犬の、負け犬による、負け犬のための相場展望32

先週末、トリシェ総裁の会見で、ユーロの7月利上げの確率が高いということであったが、ユーロはその会見の後、売られ始め、週末終値で、115.20くらいで引けている。バーナンキの会見で、QE2の後に、QE3をおこなうという言葉が無かったこと、6月10日金曜日は、ドルが買い戻され、ドル独歩高、また、原油をはじめとする先物も激しく売られ、リスク回避的に買われるはずの金まで、値を下げ、さらに、株まで売られるという状況であった。
おそらく、これは、QE3が実行されないために、すべての相場が、下げたのではないかと考えられる。ドルが市場にだぶつき、さらにそれが、継続される(あくまで、維持でなく継続である)ことにより、その先を見込んで買い進められた各種のリスク資産が、売り出されている状態ということか。
しかしながら、バーナンキのインフレ政策のみを選択肢とするのではなく、わざとデフレ状態を作り出すことで、物価を下げ、人々の生活を楽にするという方法もあるにはあるが(ECBが行っている利上げがこれである)、現在のアメリカの状況は、実は言うと、日本の大正十二年の関東大震災(実際はこの前から世界の景気が悪化していた)のときと似通っていると考えるのはウシ象だけであろうか?
当時日本経済は、関東大震災の影響で、円が売られ、大正十二年から十五年まで、円安が続き、景気が小康状態を保っていたが、こののち、大正十五年よりとられた金解禁のための政策により、外資による円買いが行われ、震災前の為替レートまで円が上昇しまったのである。この結果、日本経済は恐慌状態へと突入したのである。このとき生糸の値段は、大幅に下落した(ただし、このとき株は上昇した。おそらく、金解禁前に、金利を下げているからだろうと思う)。
この例をあげる必要もないが、アメリカの現在の景気回復とは、過剰流動性による実体を伴わない、景気の回復であって、つまり、量的緩和により、株を高くし、不動産価格のさらなる低下を抑え込んでいる状態である。バーナンキもこのことは、承知していて、2008年のリーマンショックの時は、積極財政をとるべきとし、現在は、さすがに、財政悪化のために、長期的展望にたった財政再建策が必要であるとしているが、緊縮財政が、景気の足を引っ張ることになるといっているのである。つまり、財政再建策を、少しずつ進め、先を繰りできるものは先送りしろといっているようなものである。
これは、ドルを高くする政策がとれないということである。たとえ、インフレが進行しても、つまり、ドルが弱くなったとしても、アメリカの経済を小康状態に保つためには、過剰流動性が必要となるのである。というよろもむしろ、ドルを安く保つことが目的化する。アメリカ国内の、サービス業でなく、製造業により、金融によりぶくぶく膨らませた部分を埋め合わせをしようとするのならばである。
アメリカには、現在、その財政赤字により、積極財政などとれるはずもなく、また、QE2の終了により、景気がこの先改善していくわけもなく、下手に引き締め策をとると、完全恐慌モードに突入することになる。うまくいって、バーナンキの云う日本の失われた十年モードに突入する可能性が高いのではないかとウシ象は睨んでいるのである。
まあここまで、世界経済が危険であると超弱気なウシ象であるが、そんなものはなるようにしかならず、いまは、相場で金を儲けることに専念し、ウシ象の見通しが外れるかもしれず、その場合は、超強気になり、株を買えばよい話である。
<為替相場>
ドル円    78.80~81.20
ユーロ円   114.20~116.50
ユーロドル  1.4150~1.4550
ギリシャ問題で、ECBと欧州政府が対立。トリシェは、ロールオーバーが気に入らないようである。まだ、ギリシャの火種がくすぶっているのと、7月利上げの材料出尽くし。アメリカはアメリカで、債務上限引き上げ、6月末のQE2終了とその影響。日本は日本で、政治的混乱(菅は何やら自然エネルギー庁なるものの発足に意欲を示しているとのことである。おそらく、できるだけ長く、総理の座に居座ろうとしているのだろう)。悪材料の三国志状態である。日本は、第二次補正予算十兆~十二兆が決まりそうである。
重要イベントは、13、14日の日銀の政策決定会合か?(おそらく現状維持なので、為替は反応せずか?)日本の4月機械受注も13日なので、もし、思ったほどの落ち込みが無ければ、円高か?民間企業が、震災の影響から立ち直ると、おそらく円高に為替が振れると考えられる。
来週は、重要指標が多く、6月14日の中国の指標が発表されるので、注意が必要であり、アメリカの小売業の発表もある。木曜日の失業率よりも、6月15日の6月ニューヨーク連銀製造業あたりが結構、動きがるのではないかと考えている。
アメリカの指標が多く出るので、ドルを外して取引するか、この場合、ポンドユーロなどが面白そうではあるが、あるいは、ドル円だけに絞るか、ドルがらみでクロス円も引きずられそうなので、難しそうである。ドル円で、80円の半ばでドルを少し売ってみて、81.35くらいにロスを入れて、予想が外れたら、すぐに、ロスカットでいこうか?
スイス中銀の金利発表が6月16日にあるので、もし、スイスフランが大きく売られたら買ってみるのも面白いかも?
<株式市場>
日経平均   9250~9620
アメリカの景気回復、QE2終了、ギリシャに、日本の政治混迷。買われる要素は、十兆から十二兆の補正予算ぐらいか?
一方的に下がるのでなく、一方的に上がるのでもない。このさき、10000越えしそうになさそうな感じもするし、ある日突然、300円高なんてこともありそう。
上げれば売り、下げれば買い、ダメなら、ロスカットか?個別銘柄を買い、じっと我慢の子という方法もあるな。
QE2がらみで、新興国の株が売られると思い、インドの株指数を少しだけ、売っていますが、6月16日に、インドの政策金利発表があるので、注意する必要があるな。
月曜は、金曜のダウの下げを受けてどうなるか?(ウシ象、9580で先物を少しだけ売らしてもらいました。あと、9470で、CFDで、少し売り増ししましたが、日経平均どうなるか)

弁当を買おうと思い、弁当屋に行ったところ、その弁当屋がつぶれていた。
せっかく、とんかつ弁当を、買おうと思っていたのに・・・・・・
そうあのとんかつですよ、こんがりきつね色に揚がったとんかつ、母さん、あのとんかつはいったいどこにいったのでしょうね(人間の証明。ウシ象の記憶が確かならば)。

1件のコメントがあります
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なるほど~、QE2後の相場展望勉強になります!

 

今日のニュースでFRBがインフレターゲットを導入、

なんて話が出ていたので、

量的緩和第三弾は無くてもFRBは超低金利を続けたいようなので、

モウ山さんの読み通りになりそうですね。

 

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