以前、CNBCの番組で、「家庭の主婦です。住宅購入のための資金を主人に内緒で、機械、資源など6銘柄に投資したのですが、株の下落で300万円ほどの損になってしまいました。主人にばれたら大変です。どうしたらよいのでしょう?」という質問がありました。
回答者のファイナンシャルプランナーは、もっと安全な投資対象を選ばなかったのか、外国株に目を向けなかったのか、なぜ損切りをしなかったのか・・・投資法について批判はするのですが、結局うやむやで終わってしまいました。
「あなただったら何と答えますか?」
私だったらこう答えます。
まず、持ち株を全部売却したうえで、ご主人さんに涙ながらに謝ります。その際に、
ご主人が忙しかったので、代わりに住宅資金を増やしたかったこと、
株の損失は、私がパートに出るか親から金を借りて必ず埋めること、
今後はご主人と一緒に幸せの未来を築きたいこと、
を強調して、女性としての感情でご主人の理解をえるようにします。
何よりも信頼関係の構築が大切です。今後の投資を継続するかどうかは、ご主人の反応次第です。
株で失敗することは、ごく当たり前のことなので、ここでやめてしまっては、せっかくの教訓を無駄にしてしまいます。
コツコツ金をためて住宅を買い、老後は退職金と年金だけで食べてゆく生活が、本当に夫婦の幸せなのでしょうか。もう一度自分なりの投資法を身に着け、今度はご主人を巻き込んで、株で儲けて欲しいものです。そうすれば、300万円の損失など、いい思い出に変わることでしょう。
さて、この日記を書かれている方の大半が男性のように見受けられます。株の講習会などに集まる人もほとんど男性です。どうも株式投資は男性専科のように見られていますが、私は女性のほうが株に向いているような気がします。
理由は2点あります。
男性と女性との生涯余裕資金量は、女性のほうがはるかに勝っています。20~30歳の女性は、遊びの金の大半は男性に任せ、その資金を貯蓄に回せます。そのため30歳台後半の独身女性では、1,000万円の貯金を持っている人はザラだと新聞は報じています。40~50歳に掛けて、男性は役職に付いたりして給料が増える関係から、女性との差が縮まります。それでも女性のほうが余裕資金量は上です。
株式投資は、余裕資金でするものです。生活資金で株をやっても、それは遊びにしか過ぎません。株は「40歳台から1,000万円の資金で始め」、そして「60歳までに5,000万円に増やし」、退職後は「株の配当で生活する」ことが株の生涯設計です。
退職金で株を始めても遅すぎます。40歳台から1,000万円の資金で始めることができるのは女性に分があります。
もう一つの理由は、時間にどう向き合っているかです。株式投資は、時間を味方につけなくてはなりません。時間があるということは、投資時期、銘柄の選定、タイミングと、あらゆる点で時間との函数になります。短期間に成果を出す投資では、機関投資家にかないません。ヘッジファンドの勝ちは、個人投資家の負けなのです。
女性は男性に比べて、時間のやりくりができます。それに物事を長期に見るという習性があります。
株式投資に大切な長期所有ができるのは、女性のほうではないでしょうか。