22日のNYは、一時458ドルに及ぶ下げを演じたが、FRBの0.75%の緊急利下げを受けて、128ドル下げまで戻して、長い下髭をひいた。たしかに大暴落にはならなかったというものの、0.75%も金利を下げたのに、結局陽線にならなかったということが痛い。実際、月足でも週足でも日足でも節目になるような転換線や基準線まで戻すどころか、日足のボリンジャーではマイナス2σまでも戻していない。FRBに敬意を表したといった程度にとどまる危険もおおいにある。強い下げトレンドからの転換のためには長い大陽線がほしいのだが、どうも望みうすだ。これから減税や財政政策、さらなる利下げで、下降トレンドにアメリカ政府は立ち向かうのであろう。だがどうもやはりパンチがもう一つ。やはり一般的な景気刺激策ではなく、サププライムからおこった信用不安の元凶を公的資金注入などで断固解消するといった外科手術をしないと下げ止まってこないではないか。
大幅利下げにもかかわらずドル円は、当面106円あたりでただよっているが、月足、週足のボリンジャーは円高方面のマイナス2σ近辺にあり、円高の勢いは止まっているとは思われない。どんどんアメリカが利下げしていくとすれば、金利差の縮小から、どうしてもかなりの円高になってゆくのではないか。
上海も、日足では雲を大きく割り込み、週足でも基準線の下にもぐり、月足では転換線を割り込み始めた。中期的には下向きに転換、長期的な上昇トレンドにも疑問符がつきはじてているということだろう。でも日足のボリンジャーは、マイナス3σ近辺、週足もマイナス2σまで下げており、これからますます下げるぞという構えである。インドも日足が雲を大きく下に抜け、週足も転換線まで下げていて、まだ水準は中国よりは良いものの、週足のボリンジャーがいきなりマイナス2σを下回っており、こちらももはや明確な下降トレンドである。
こうなってくれば、二日で1300円もさげた日経平均が256円程度しか戻らないのも無理からぬところか。あまりに急激に下げたので、ぽんと反射神経的に反発しただけで、上と下に鬚を出して、様子見している感じだ。日足ボリンジャーはマイナス2σの前後。週足などはマイナス2σにも戻せていない。一方12600円あたりは、分厚い雲の上限であり、激しい下降トレンドに雲が抵抗しているところだろうか。まだ帰趨ははっきりしないが、売り買い両陣営の、必死の白兵戦となっているといえようか。