主人公は図書館司書の５８歳の小田明子。夫と１０年前に離婚し、一人息子とも別れて暮らす。ある日、テレビのニュースで、増水した川から路上生活者がヘリコプターでつり上げられるシーンを目にした。それは離婚した元夫の澄夫だった。
澄夫と再会してから物語は思いも寄らない方向に動き出す。登場人物は運命の糸で操られるようにつながり、澄夫の嘘で固められた過去が暴かれてしまう。成人した息子も家を出て、明子に内緒で澄夫と会っていた。それを知ったときの疎外感。離婚して子育てが終わった母親の孤独感もにじみ出る。
家族とはいったい何か。わずか３日間の出来事は人生の意味を問いかける。
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