NYは昨日お休みだったが、かわりに中国が8%超す下落、インドが10%超す下落、さらに欧州も急落して、世界同時株安商状に突入した。円高もぐいぐいと進行。NYの下降トレンド指標からある程度予想していたことであるが、それにしても、動きがおそろしく激しい。
こうした世界の下げの波をまともにかぶった日経平均は、とてもたまらず、750円を超す暴落となり、昨日予想していた下値のめど、月足の雲の上限、12602円に届き、それをさらに切ってしまった。ここまでくると、次の節目は、月足雲の下限11300円となってしまうが、さすがにしばらくこの12600円水準をめぐって攻防が行われるのではないだろうか。これを切ってしまえば長期トレンドの下降は、ポイントオブノーリターンにはいってしまうからだ。だが、これだけ下げの勢いがつくと、ボリンジャーものきなみマイナス2σを超しているので、下げが下げをよぶという展開になる可能性もある。たとえさしあたり一服がはいっても、結局たかをくくっていた投資家がすべて悲鳴をあげて退場するまで、売り方がさらに波状攻撃で押し寄せてくるかもしれない。世界的な下げトレンドは、決しておなどれない勢いをもっている。
トレンドが変わったということは、ある程度指標をみていればわかるが、どこまで下げるかということは、チャートから確実に推定することは誰にもできない、といわれている。下げがとまって、上昇に転じるきっかけは、トレンド指標である程度分かるが、それがいつになるかもまた予言は難しいという。一方株式市場というのはあがるときは、ゆっくりゆっくり踏みしめて上がり、下がるときは、一気に沈む船から逃げるように下げるというのは、今度の下げでも、真実をついているようにおもわれる。「買いは遅かれ、売りは早かれ」というが、下降トレンドは急降下なので、下げてきたらいち早く下げ転換を察知して逃げるしかない。一方、あがるときは、じっくりと上昇トレンド転換を確かめて、慎重にあらゆる指標を確認してから買い出動しなければならない。この混沌とした今こそ、希望的観測を一切排し、虚心坦懐に、無の境地で相場のトレンドを冷酷無比に解剖してゆく必要があるであろう。