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貼り付け忘れました 借り物



【シドニー】米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスが18日、豪4大銀の格付けを引き下げた。これら4行は世界でも最も信用力のある銀行だけに、国際的に業務を展開する銀行に対する監視の強化が改めて浮き彫りにされた形となった。



 

 


 同社は豪4大銀行の格付けを最高格付けより1段階低い「Aa1」から「Aa2」に引き下げた。この動きは、2008年のサブプライム住宅ローン危機と、それに続いた格付け業界に対する反発を受けて、グローバルな銀行システムに対する見直しを強化する世界的な取り組みの一環だ。

 今回の引き下げで、 ムーディーズは他の主要格付け会社2社のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)とフィッチの格付けと足並みを揃えたことになる。同社は先に、豪銀が世界的な法人向け大口融資市場に依存していることに焦点を当てて見直しを行うと表明していた。同市場は大銀行間での相互融資が行われており、欧州連合(EU)諸国の金融不安が高まった時期など先行き不透明な時期には収縮する。



 Bloomberg News (ANZ, CBA); AFP/Getty Images (NAB); Associated Press (Westpac)

 


 引き下げの対象となったのは、ウエストパック銀行、コモンウェルス銀行、ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)、オーストラリア・アンド・ニュージーランド銀行(ANZ)の4行。これら4大銀行は格下げに対しても楽観的な姿勢を崩さず、その影響はほとんどないと予想している。一方、豪財務省の広報官も格下げを重要視しておらず、格付けは依然として世界で最も高い水準だと強調した。

 市場関係者は、これら4行の社債の価格には既にムーディーズの引き下げが大方織り込まれていると語ったが、借り入れコストが引き下げの影響でいずれ上昇する可能性もある。

 シンガポールのTDセキュリティーズのストラテジスト、ローランド・ランダル氏は「銀行業務への圧力というリスクの高まりを認識する動きは世界的にみられるものだ。銀行の資金調達コストという点で、このようなリスクは既に予想されており、大方は市場に織り込み済みである。しかし、資金調達コストへの圧力がさらに強まる可能性があるのも確かだ」と、今回の格下げの影響について語った。

 また、金利の上昇が豪州経済の一部に対する抑制要因となり、銀行の収益を悪化させる懸念がある中で、豪銀の格付けが引き下げられる格好となっている。

 ムーディーズの引き下げ発表直後、これら4行の株価は揃って下落したものの、すぐに戻した。各行の終値は、ウエストバック銀行が前日比0.1%安、コモンウェルス銀行が0.2%安となった一方、ナショナル・オーストラリア銀行とオーストラリア・アンド・ニュージーランド銀行はいずれも0.9%高となった。

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