週末NYダウは、320ドルも上下にふれるあらっぽい展開だが、結局陰線、59ドル安で12099。政権の景気対策に失望したのに加えて、モノラインといわれる金融保障会社へ信用不安が広がったことが背景のようである。12090は、週足の遅行スパンが雲の上とぶつかる水準で、大きな節目であり、守れるかどうか注目されるが、ボリンジャーをみると、月足、週足、日足とも非常に形が悪い。日足が-2σから下に落っこち、週足も-3σにつっかけそうで、月足すら-3σ近辺で、これほど強い下げトレンドはなかなか見当たらないぐらい。このあたりでとまるのでは、という評論家もいるようだが、これを見る限り、とても信じられない。むしろ下げはこれからという感じがする。
ついでながら、いろんな番組に登場する日本の株式解説者はどうしてもっとNYの動きを丁寧にフォローしないのだろうか。NYのことはよくわからないし。。。などと、のほほんといっていては、このご時勢、とても世界の動きについていけるとは思えないのだが・・・
ついでにS&P500をみると、ダウよりさらに形が悪い。週足では、遅行スパンがついに雲を割れてフリーホールの恐れがあり、週足MACDのシグナルもゼロを切ってきた。ボリンジャーも眼も当てられない下降形状だ。こちらのほうがグローバル企業が多いダウよりもアメリカ国内経済の実態を反映しているとすれば、景気後退はすでに相当に深刻な局面に入りつつあると思われる。
NYがこんな状況になったのを受けて、中国、インドなどの市場が急落している。上海は、11月の底から少し戻していたが、14日で戻りの天井をうって、日足の基準線近辺、雲の下限まで急降下した。これから11月の底値のテストをする局面に入るが、ボリンジャー週足がぐっとせばまって、転換を示唆。少なくとも中期的には、下降トレンドにはいったと思えてならない。
インドはいままで中国以上に堅調だったが、一気に日足基準線、雲上限を割って、雲の下限近辺まで下降。週足は転換線をきったものの、月足はまだ上昇基調を保っているが、これも週足ボリンジャーが急速に狭まっており、下への基調転換を示唆している。まるで無責任なデカップリング論を嘲笑するように、NYの下げに連動して、どすん、どすんと下げ始めているという感じだ。
NYの下げが加速、中国もインドも下げに転換し、為替も依然として円高トレンドであるとすれば、もともと外需頼み、外国人頼みの日経平均が、何をよすがにこの水準で踏ん張れるか。短期的な需給以外は、買う材料がないように思われる。
とはいえ、日経平均にとっては、このあたりは遅行スパンが転換線とぶつかる節目どころである。日経平均よりより形の悪いTOPIXは、ちょうど1291がローソク足と雲の上限がぶつかるところになっていて、そこでかろうじて反発して戻している。この近辺が守りきれるかどうかが、より大きな長期にわたる下げになるかどうか、分かれ道になるかもしれない。