1923年の関東大震災、1995年の阪神大震災そして2011年の東日本大震災と3つの大震災が発生した後の株価の動きを月次で比べてみました。発生2か月前の株価を100として指数化したものです。
GDPの13%に及ぶ巨大な被害額となった関東大震災でしたが、月次の株価で見る限り、市場閉鎖期間があったこともあり、大震災の痕跡をはっきり確認することはできません。
一方、GDPの2%程度の直接被害額となった阪神大震災の後の株価はかなり厳しい調整が続きました。大震災の翌月には日経先物の巨額不正取引で英国の老舗証券会社が消滅し、さらにその次の月には地下鉄サリン事件が発生したことが大きく影響したと見られます。
そこで今回の東日本大震災ですが、発生して日が浅く、何ともコメントしにくいところですが、どうやら関東大震災と、阪神大震災の間で推移しそうな印象があります。
上図から次のような点が興味深いと思っています:
(1)震災の規模に株式市場は連動していないように見える。
(2)震災後の復興需要にもかかわらず、株式市場の停滞局面はかなり長期間にわたって持続する。
今回も巨大な震災の影響で瞬間的には大きく下げる局面も見られましたが、月次ベースで見れば決して大きな下げではありません。したがって、復興需要に連動した動きが個別銘柄では観察できるとしても、マーケット全体としては大きく期待できないのではと考えています。下がっていないのだから上がらないかもしれないということです。
ただし、日本経済の60年にわたる超長期波動から見ると気になる点もあります。関東大震災と阪神大震災はこの超長期波動の下降局面で起こっています。ところが、今回は上昇局面である可能性が高いのです。
したがって、本格的な「インフラの時代」の到来で、日本経済の上昇が株式市場を持続的に押し上げる可能性が消えたわけではありませんので、今後の動きに注目したいと思っています。
「人気ブログランキング」に参加しています。記事がお役に立ちましたら、下のバナーをワン・クリックお願いいたします。大きな励みになります。
本文中で使用しているデータやグラフ類は主に次の各社の公表しているものにお世話になっております。経済産業省、内閣府、日本銀行、東京証券取引所、CME GROUP、CBOE,CNN MONEY、MSN MONEY、アット・ニフティ・ファイナンス、Yahoo!ファイナンス、サーチナ、ゴールデン・チャート、外為どっとコム