チタンの取引価格が上昇している。中間原料のスポンジチタンは2011年度の大口需要家向け価格が10年度比約5%上がり、3年ぶりの値上げで決着した。加工品の展伸材の大口出荷価格も4~9月は前期比約10%上がった。航空機の増産や新興国の発電所建設で世界的にチタン需要は拡大しており、メーカー各社は原料鉱石の上昇を販売価格に転嫁した。
スポンジチタンを製造する大阪チタニウムテクノロジーズなどは、展伸材を生産する神戸製鋼所など鉄鋼大手と年度ごとに価格交渉する。11年度の大口価格は1キロ60~90円高い1340~1950円が中心となった。
値上げ決着は3年ぶり。08年秋のリーマン・ショック後のチタン需要の減退を背景に09年度から年平均1~2割の下落が続いていた。
チタン展伸材メーカーも取引価格を引き上げた。発電所向けの溶接管が1キロ30ドル台前半と10年10月~11年3月の水準から1割前後上昇。2半期連続の値上げとなった。「取引量も増加しておりスポット(随意契約)取引では2~3割上がるケースもある」(展伸材大手)という。
日本チタン協会によると、10年度のチタン展伸材の出荷量(輸出含む)は前年度比61%増の1万5610トン。このうち航空機向けが前年度比51%増となったほか、中東で建設が進む海水淡水化プラント向けが伸びた。
航空機の需要は08年のリーマン・ショック以降低迷していたが、足元では航空会社の業績回復に伴い復調している。米大手ボーイングの純受注機数(受注分からキャンセル分を除いた機数)は10年に530機と09年の3.7倍に拡大。11年1~3月期も前年同期比27%増となった。欧州エアバスも10年の純受注機数は09年比2.1倍の574機だった。
スポンジチタン大手は相次いで増産に動いて需要増に対応している。
個人的
チタンを含め 原発に使用しないものは極端に値上がり
原発で被害をこうむった物は極端に値下がってます・・・