ゴールデンウィークに入って、1日に180もの日記が掲載され、とても全部を見ているわけにはいきません。その中から、株価の見通し(今買いか売りか)については、多くの人の関心事にもかかわらず、残念ながらほんの一握りのように思えます。
株式投資をやろうとする人にとっては、株価の見通しが一番気になります。でもどうせ当たらないからと、始めから、見ない聞かないでは大人気ありません。
株価の予想や(競馬の予想や見たいにいって申し訳ありませんが、株は所詮ギャンブルです。株価の見通しも百発百中だったら、皆リッチになって資本主義が成り立ちません。予想のレベルはこの程度だと思ってみています)には、大別すると次のようになります。
1) 山勘派・・・理由なしに買い売りをいう人ですが、根底には前日のアメリカ株の動き、日経CMEの動きなどから、ある程度の蓋然性に基づく予想です。したがって、短期的には当たる確率は高いのですが、中長期になると五分五分になります。
2) 前提条件派・・・株価を動かす前提条件たとえば、政治・経済がこう動けばこうなるといったたぐいの予想です。中には3つくらいの前提条件を示して、Aの場合には50%、Bで30%、Cで20%などとやっています。一見もっともらしいのですが、知りたいのは、どのように前提条件が動くかです。株価の予測に前提条件をつけるのなら、直下型地震がきたら暴落するという予想とあまり変わりません。
3) 後出しジャンケン派・・・2~3日前に、「上がる・下がる」の両方の見通しを別々に出しておいて、現時点で上がっていれば「あのとき私が言ったように上がっています」と、自分の意見を正当化させるテクニックです。これは詐欺師がよく使う手で、何かの目的を持った人が株価の誘導に使うので、だまされないようにしましょう。
4) バイアス派・・・別に悪気はないのですが、買っている人は強気で見るし、売っている人は弱気でものを考えます。多くの証券会社のアナリストは、お客さんや会社の都合を考えて、たいてい強気に考えますし、私も長期的な買い持ちが多いので、考え方はどちらかというと先行きを強気です。
さて、本論です。
いよいよ5月に入りました。2日の初日、日経CMEは100円ほど上で帰ってきました。「だから、買い」では、山勘派まるだしです。
私は次のような理由から、13日のSQまでに災害前の10,500円付近までは上がると見ます。
1) 震災から49日過ぎ服喪期間が明け、元気か戻ってきたこと。
2) その間世界市場は上昇を維持して日本株の出遅れが顕著になったこと。
3) 日本企業の決算が、思ったほど悪くなく増配企業も結構あること。
4) 世界的な金余り現象がまだ続き、商品市場が活況を呈していること。
5) 資金の流れが先進国に還流していること。などなど
ただ、物色の流れは大きく変わります。
今回の震災による株の下落は、「東電ショック」といってもいいもので、東電株の下落は、それが簡単に回復しないだけに、金融機関による銘柄の入れ替えは想像以上と思われます。サプライチェーンの崩壊も、一因として挙げられますが、これは時間が解決してくれます。
買われる銘柄は、震災前と比べて収益の向上が見込まれるもの、つまり復興関連です。サプライチェーンが回復して、震災前の収益に戻ると予想される電気、自動車といった日本を代表する輸出企業は、戻りはあるでしょうが今回の相場の主流にはなれません。
IT関連の多くの製品はすでに海外で韓国、台湾、中国といった新興国からシェアを奪われ、その部品供給で細々とやっていましたが、今回の災害でその部品も危なくなってきました。
自動車も、電気自動車に先行している日本メーカーにとっては回復のチャンスがないとはいえませんが、時間がかかりそうです。
私は、銘柄を上げて買い推奨するのは嫌いですが、私の見通しの検証資料として、次の2銘柄を挙げておきます。断っておきますが、この2銘柄は持っておりません。
日立製作所の400円台・・・日本のもの作り復興の本命、目標値2年以内に800円。
三菱商事の2200円台・・・日本の資源獲得でトップ、目標値2年以内に4000円。
株式投資は、どう転んでもギャンブルです。とはいっても究極買いか売りしかありません。どちらにするかはあなたの判断。連休をうちで過ごしておられるお暇な方のお遊びまでに見ておいてください。