東北復興の契機に-。大型連休初日に当たる29日に新青森-東京間が全線復旧した東北新幹線。JR東京駅には、朝から大勢の旅行客や帰省客らが訪れ、続々と東北へ向かう新幹線に乗り込んだ。
全線復旧に伴い、震災後に運転を中止していた最新鋭車両のE5系「はやぶさ」も、新青森-東京間と仙台-東京間でそれぞれ1日1往復ずつ運転。この日は午前8時44分、震災後初となる新青森行きの「はやぶさ501号」が東京駅を出発した。
東京都杉並区の主婦、石井樹理さん(36)は、家族で青森方面に旅行するため、はやぶさに乗車。「正直、こんなに早く新幹線が復旧するとは思っていなかったのでうれしい。桜を見たりする予定だが、被災地の宮城県に親戚がいるので、会いに行くつもりです」と話した。
はやぶさの売り物である新幹線版ファーストクラス「グランクラス」の営業も再開された。埼玉県越谷市の大学生、熊田良平さん(19)は「運良くグランクラスが取れたので、観光で盛岡まで行きます。新幹線が復活したことで、東北に活気が戻るきっかけになればいいですね」と笑顔で話し、車両に乗り込んだ。