政府が試算
政府は27日、2011年度第１次補正予算で約175万人の雇用創出・失業回避効果があるとの試算をまとめた。約４兆円の財政支出で実質国内総生産（ＧＤＰ）を0.6％押し上げると見積もっている。ただ、震災で壊滅状態にある被災地企業の回復には時間がかかるとみられ、復興に向けた経済対策は今後も大きな課題になる。
同日開いた被災者就労支援・雇用創出推進会議で試算結果を公表した。会議後に記者会見した厚生労働省の小宮山洋子副大臣は、被災した岩手・宮城・福島３県の求職者数は４月22日時点で２万５千人に達していると公表。被災地のハローワークに３月28日から４月24日に15万６千件の相談が寄せられているという。
試算では、補正予算で新たに23万人の雇用が生まれるとしている。がれき処理や仮設住宅の建設、災害復旧の土木事業など総事業費３兆円の公共事業などで15万人の雇用増があると見積もった。自治体が被災者を直接雇う事業でも５万人の効果があるとみた。
業績悪化に伴う休業手当を国が補助することで失業を防ぐ雇用調整助成金も７千億円積み増し、145万人の失業抑制を狙った。被災者の雇用助成金などでも５万人の雇用下支え効果を見込んだ。
ただ、第１次補正予算に盛り込んだ雇用対策はあくまで短期的な対策にすぎない。関西学院大の上村敏之教授は「電力供給の制約などから、このままでは日本企業は製造拠点の海外移転を進めてしまう」と警鐘を鳴らす。「たとえば電力供給が安定している中部、関西、九州へ労働者と工場を共に移すよう促すなど、国全体で中長期的な政策を描く必要がある」と指摘する
個人的見解です
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