『一生折れない自信のつくり方』青木仁志著

AAI Fundさん
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■経験に裏打ちされたメッセージ 

 平成21年11月に初版6千部でスタートしたが、およそ1年5カ月後の22日現在、20刷、10万1千部と売れている。奥付をみると、著者と発行者の名前が同一だ。偶然の一致ではない。著者はすなわち版元の社長だった(親会社であるアチーブメント株式会社の社長も兼ねている)。いったいどんな出版契約書を交わしたんだろう?

 ともあれ、テーマは表題のとおりである。冒険家で、近年もエベレスト登頂を果たしている78歳の三浦雄一郎さんが、〈この本を読めば、「そうなんだ、やれば出来るんだ」という力が出てくる〉と、巻頭に推薦文を寄せている。

 北海道の高校を中退し、17歳で溶接工見習いとして社会に出た著者は、「どん底もどん底、まるで海の底を漂う深海魚。自信どころか、生きるだけで精いっぱいの毎日」だった。54歳になった現在は、プロのセールスの道を究めて、人材教育コンサルティング会社を経営し、研修トレーナーとしてこれまでに26万人以上もの受講生を指導してきた実績(=自信)を持つ。

 同社で広報を担当する橘薫さんによると、読者の中心は30代から40代のビジネスマンや主婦、学生らで、男女の比率は「最初は8対2くらいでしたが、いまでは女性が増えて6対4くらいにまでなっている」そうだ。また、昨年の10月以降、「大学の生協にも置いてもらったせいでしょうか、就職などを控えた学生さんの読者も徐々に増えてきているようです」。

 売れている理由について、編集を担当した同社編集部の白山裕彬さんは、「著者の経験に裏打ちされたメッセージだけを、本書には盛り込みました。ゼロからのスタートで本物の自信を築き上げていった著者の生きざまと、噛(か)み砕かれた実践法が、広く読者の方々に共感いただけたのではないか」と分析している。
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