それにしても85.70をつけた後はほぼ一直線に下がるUSD/JPY。まだまだ下がるのかそろそろ反転か?かなり気になるところです。
82円を割り込むと介入警戒感が・・・とかレパトリ期待でまだまだ下がると言われていますが、それ以上にUSDがひたすら安いという事に関連があると思っています。
昨日の指標近辺からのチャートです、これはUSD/JPYとUSD/CHFを上下に並べたものなのですが、23:00を境にCHFとJPYの上昇度合いを見てみてください。通常だとCHFの方がより慎重に回復する場面なのですが、今回はCHFの方が圧倒的に回復しています。一時期100pipsを超えるショーターの財布に優しいUSD/CHFだったのですが、結局10pipsのマイナス程度で引けました。このチャートだけみると、USD/CHFは騰がる通貨にすら見えます。
USDの対CHF,JPYを見ると多くの人がレパトリ期待で円ロングを行っているのかがわかると思います。
EUR/USDを見るとギリシャの財政問題など全く関係なし!といわんばかりに上昇しています。ギリシャの2年物の国債の金利は20%を超え、『ギリシャの中央銀行の総裁は昨年つぶれてしまった武富士の会長の武井氏では?』と思ってしまうほどの利率、このギリシャのみならず、スペイン、ポルトガルの財政も危機的状態かつなにも問題は解決していません。
そんな中現在、ユーロは昨日1.46代中盤をつけましたがユーロの史上最高値が1.60380なので現在の水準もかなりの高値圏と言えるでしょう。月足で見ても4ヶ月連続上昇、これだとまるでユーロ圏は現在未曾有の好景気!という風にしか見えません。
しかし、通貨ペアというのは2つの通貨の温度差によって発生するので、
欧州財政問題<アメリカのていたらく
という状況なのだと思います。
『金よりも硬い』といわれるUSD/CHFでスイスフランに対するドルは史上最安値街道をひた走っており、金自体は史上最高値に現在あります。昨年の秋くらいからあまりにも『金、最高値更新』のニュースが出すぎてもはや全く驚かなくなりつつありますが、現在米ドルは考えられないくらい安い状況となっています。
全体的なドルの強さを見るドルインデックスでも、リーマンショック以来の史上最安値圏に近づいています。
つまり、円の問題以前に米ドルがどうにもならないレベルで弱い
ということなんです。
ドルインデックスのチャートをご覧下さい。現在はリーマンショック、ドバイショックでの底の次の底値圏にあります。ここで逆3尊となりそろそろ上昇するのではないかとも思えます。ここ数ヶ月の状況を見てもこれはセリクラという風にも見える動きです。
私見ですが、もしかしたらこれは次回のFOMCなのではないかなと思っています。
昨年11月のFOMCでQE2が発表されましたが、EUR/USDはこの発表の次の日の夕方を最高値圏に、一度1.28近辺まで『暴落』と言って過言でない下落をしました。いわゆる『噂で買って事実で売れ』の通りになったわけです。私は以前から一環してECB利上げまではEUR/USD上昇、そして利上げネタだけで引っ張り続ける事が欧州各国首脳も暴落を予見しての引っ張り上げと述べてきましたが、ECB発表の後数日後に昨年11月のFOMC後の様な状況になると思っていました。いまとなっては調整らしき下落にしか見えなかった下げはありましたが、ECBの利上げ発表の後も下落どころか加速している状況です。
この10日ばかりのUSD/JPYの下落、しかし80円を切るとなるとさすがに介入というゾーンまで来ました。
AUD/USD、確かにオーストラリアは経済的に調子が大変良いですがそれにしてももはや『気持ち悪い』というレベルでの上昇が続いています。
欧州財政問題が全く解決していないのにEUR/USDは棒上げ。
USD/JPYもレパトリ期待は有っても、6月頃からの貿易収支が赤字化することが見えてきている。又、赤字国債の問題はいよいよ限界に近づきつつあり(国債による借金のGDP比率はアフリカの最貧国のレベル)かならず世界から日本の実力が厳しく評価されるべき。
こういう矛盾を抱えたまま米ドルは下げています。
あらゆる矛盾は一度極限まで行く。(ジョージ・ソロス)
そろそろその極限の様に思います。
FOMCではないかも知れませんがそろそろでしょう。