セリングクライマックスの始まりか

昨日おそれていたとおり、15日のNYダウは277ドル下げ13504ドルへと大きく下げた。懸念していたとおり、シテイの損失は、予想外に大きく、年末の小売の数字も非常に悪く、クレジットの延滞率も上昇、アメリカは、金融不安から本格的な景気後退へと局面が転換している。アメリカ大手金融機関は、外国からの資金で息をつくというみじめな姿をさらしている。しかしそれもできない中小の機関が破たんしてしまうのではないか、という心配が頭をよぎる。
 ダウの水準は、日足では下値のふしはすっかり無くしている。日足ボリンジャーは再びマイナス2σ水準まで落ち、バンドも下に大きく開いている。週足でみると、一目では雲の下限でようやく止まった形だが、週足MACDのシグナルもゼロぎりぎりまできているし、週足のボリンジャーも2σまで落ちて下にぐわっと開いている。さらに心配なのは、月足ではまだ一目基準線ぎりぎりで止まっているものの、ボリンジャー月足はマイナス2σすら大きく下回っていてRCIも急降下中である。-2σを切るというということは、通常の変動幅を逸脱したということだから、ダウは長期トレンドから下向きに脱線したことを意味する。NYのチャートを見る限り、このあたりでダウが止まる気配はまったくない。これからさらに本格的な下げにいく可能性があるとおもわざるをえない。もしこの水準を守れずに下降すると週足の雲を下抜けてしまうので、週足の遅行スパンが雲とぶつかる12100前後まで落ちてゆく危険すらある。
 為替も心配していたとおり、円高に一気に動いている。日足では円高方向にまったく節目がなくなっており、MACDも円高方向に沈んでいる。週足も全く同じように円高方向にめどがなくなっている。さらに月足も雲を大きく下抜け、月足ボリンジャーもマイナス2σまで下げて、円高方向に大きく開いている。月足RCIは底につけているものの、どうも101円前後までどっと下落する危険があると思われ、現に106円から105円をうかがいそうな状況になっている。足元の日本経済が堅調だとか、予想PERが低いとかのんきなことをいっている人がいるようだが、100円をきるところまでいけば、予想PERなどは吹っ飛んでしまうので、気休めにもならない。株は将来の利潤期待を買うのだから、今堅調だとわめいてみても、株が下げることを止められるはずもない。
さて、日経平均は468円の暴落で13500円の水準。NYが急落、円高急進では東京の暴落はどうにもとめられない。だが日足、週足はどこからみても明らかに下降トレンドであるが、月足すらも、今や遅行スパンも転換線をわってしまっている。このままいくと月足の雲上限12600円まで落ちていく可能性がでてきている。だが月足ボリンジャーがマイナス2σを割って下におおきく開いているので、止まる気配はまだ少しもない。月足RCIは底をついていて、出来高も大きくなっていて、信用買い残が減っているので、投げがかなりでていて、セリングクライマックスの始まりといえるかもしれない。だが、少なくともチャートからはまだまだ止まったとは判断できない。
 外需頼み、内需委縮の日本の現状からすれば、東京の買いの主体の外国人の目から見て、日本株を買う理由は確かにどこにも見当たらない。一時もてはやされたデカップリング論にもともと私は極めて懐疑的だが、上海はすでに下向きになっていて、こちらからも支援材料はまったく期待できないだろう。
 まだまだ奈落は下にありそうな気がする。
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