4/19雑感(材料難相場)

MDRさん
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先週、先々週と株式市場は材料を欠き、方向感のない展開となっています。震災以降、出来高は比較的高い状態が続いていますが、震災が経済に与えた影響がまだはっきりしておらず、決算発表が近いタイミングということもあり、様々な思惑の売り買いが交錯しているのではないかと考えられます。
テクニカル的には先週前半まで抵抗線となっていた2009年3月からの長期トレンドのアンダーサポートラインを割り込み、このトレンドは崩れたことが示唆されています。ファンダメンタルズ的に見ても日経平均はおそらくこのまま下落基調で推移していくものと考えられますが、はっきりとした材料が出てこない限りは値幅は小さい状況が続くでしょう。
日本株については今のところ緩やかな下落という程度の見通しは立てられますが、それ以上については材料がなく、どのくらいの期間で、どのくらいの値幅下落するのかについては予測がつきません。また、全体的にボラティリティが低い状況となっているため、プラス方向の大きな材料が出れば一時的に上昇に転じる可能性も否定できない状況です。こういった先の読めない相場では、リスクを下げるために銘柄を持たないという選択肢が戦略的に最も資産を守れる確率が高いと考えられます。個人投資家は機関投資家と違って資産の投資比率は規定されていません。これは個人投資家が機関投資家に対して持っている唯一のアドバンテージです。現在はこの「株を買わない」という武器を最大限に活用すべきタイミングだと言えるでしょう。
システムトレードで運用している場合でも、現在のような状況はシステムにとっては厳しい相場環境です。これは極端にボラティリティの低い相場はだましのサインが多く、仮に勝てたとしても大きな利益を得ることは難しいためです。このような状況下では取引をすればするほど手数料ばかりがかかってしまう、という事態にもなりかねませんので気をつけてください。
今週の指標は水曜日に3月の貿易統計と鉄鋼生産が発表されます。11日の震災を受けてどの程度数字が落ちているか市場も読み切れていない部分がありますので、指数発表を受けた株価動向には注意しておく必要があります。
アメリカでは火曜日に3月の住宅着工件数、水曜日に中古住宅販売件数が発表されます。住宅事情はアメリカ経済を計るために重要な指標となっていますので、確認しておく必要があります。また、木曜日にはフィラデルフィア連銀製造業景況指数も発表されます。震災の影響が4月の海外指数にどれだけ影響を与えているのかが見所となります。なお、今週金曜日はアメリカ市場は休場となります。
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