8年前の話ですが、職場の同僚が突然会社を辞めてしまいました。
理由を訊ねると株で食って行くのだと自信満々に話していました。
その後市場全体のトレンドが上向いていた所為か順調に資金が増えていた様でしたが
あろうことかリーマンショックの時に破産してしまったそうです。
私は身近で起こったこの出来事で株の怖さを人一倍感じることになりました。
そもそもデイトレで儲けることが出来るだろうという誤解が起こるのは
1円抜きや2円抜きくらいなら簡単に出来そうに感じてしまうからです。
私もそう思った時期がありました。
しかしそういう時は抜くことだけ考えて抜かれることは頭に無いのです。
そんなに楽して儲かるのなら皆デイトレーダーに転身して誰も働かなくなってしまします。
こういう考えはポジティブ思考ではなく単なる楽天思考に過ぎないのでかなり危険です。
それでもで1円抜きで儲けようと考えるならかなりの資金が必要ですし
だからと云って初心者が先物に手を出すと丁半博打になり兼ねません。
しかもレバレッジのかけ方次第では即退場ということも。
また個別銘柄でも1円という値幅は瞬時に変動しますから
2~3分のトイレタイムが命取りになることだって有り得ます。
そこでデイトレで利益を得ようとすればそれなりの覚悟が必要です。
例えば個別銘柄は現物取引。先物はレバレッジを掛けない、無論保有資産以上の取引は厳禁。
同時に複数の売買を避ける。個別の売買では上昇トレンドの銘柄を選ぶ。
利確や損切りのルールを守る。等様々ですが何よりも重要なことは事前準備に時間を掛けることです。
事前準備は沢山あります。
先ず世界のニュースをチェック(経済・戦争・内乱・テロ・災害・核問題など)
無論ニュースはリアルタイムがbetterなので
CNBCや経済ニュース専門ch、24時間ニュースch等の視聴がお奨めです。
この他ブルームバーグやロイターニュースのチェックも効果的でしょう。
次に他のチェック項目を列記します。
ダウ・ナス・CME・グロベ・ダウ先・ナス100・ADR・FT100・DAX・欧米の経済指標
為替・原油・VIX指数・サイコロ分析・商品相場・TOPIXチャート
個別チャート(トレンド・支持線・抵抗線)・個別出来高
寄り前外人動向・主力株の気配・セクター別の気配・SGX225先物
国内経済指標・企業IRのチェック・・・・・等
これでは眠る間もありません。
そう云えばリーマンショックの頃、毎晩CNBCを見ては翌日職場で欠伸ばかりしていました。
さらに場が開いた後も先のチェック項目にアジア市場の動向が加わりますから
ぼーっとしている暇は有りません。
もし仕事の合い間でとか子育てをしながらなどと甘い考えでデイトレに臨めば
十中八九大切な資金を失います。
実践では日中足を分刻みもしくは秒刻みで追わなくてはならないので
少なくとも一トレードが完結するまで集中出来る環境が必要です。
しかしこれだけ努力しても勝てる人はほんの一握りで、普通はプラマイゼロでも立派だと思います。
ゲームなら勝ったり負けたりですがトレードの場合そうは行きません。
1回勝って3回負けるのが普通でも、3回負けたからといって1回勝てるとは限りません。
デイトレは分刻み・秒刻みの勝負ですから情報力、判断力、決断力が命です。
「アローヘッドでボンヘッド」とならない様くれぐれもお気を付け下さい!