各国の中央銀行は通常、金融政策を決定する際には物価だけでなく、国内経済の状態も考慮して決定をおこないます。例えば英中銀はインフレ目標は2%でその前後1%以内に収まるように政策を行わなくてはいけません。でも、今は消費者物価は4%です。本来ならとっくに利上げしなければなりません。でも、英中銀はこのインフレは一時的なもので、利上げをすることで景気が失速しかねないと判断して、据え置きを続けています。一方、ECBは、経済や財政状態は加盟国それぞれなので全ての国に整合性のある政策は無理。そこでECBには、インフレ率の安定が至上課題なのです。利上げされると、財政再建が困難になる国があっても、それはまた別の方法で援助する。救済策は救済策、金融政策は金融政策。インフレ懸念があれば利上げはするのじゃ。