今年から東京工業品取引所の後場の立会い時刻が12:30~17:30に変わった。
取引時間の拡大自体個人的には反対だったのでそれなりの活動を行ってきたがそれも徒労に終わった。
決定したものを覆すことは決定させないことよりも難しいので当面、或いはこれからずっとその時間に合わせて対応せねばならない。
連続5時間・・・
ただ伸びただけではない。
15時ごろにはドバイも開いてるし、16時ごろはストックホルムなど北欧や東欧が立ち会い始めるし、17時にはフランクフルト・・・
FXをやっている人のほうが詳しかろうがそうした時刻には為替にはちょっとした動きがあるし、立会い開始した市場のほうが指標として有力な商品に関してはそうした地域の現物・定期の状況如何でもうひと波乱がある。
従来は15;30で帳入れだったのでそれ以降どうなろうと多くの金融商品のベンチマークたるアメリカが終わった時点の価格が覆るとそれまでだったので気にもとめていなかったが帳入れが17:30ならばそうも言っていられない。
また、このことでベーシス取引で値決めする場合には17:30まで待たねばならず大迷惑だ。
特にゴムは日本が世界のベンチマークなので国内だけの問題ではすまない。案の定各企業とも決定が遅れがちになっているそうだ。それにゴムに関して言えば時間外取引は数年前まで存在したが、ニーズがないので廃止したのだ。
取引所側ーひいてはその背後の監督省庁の高級官僚の意向はアメリカの証券取引所並の取引制度に近づけたいらしい。
時間延長などで利便性を図ることで取引の参加者を呼び込み出来高、取り組みを増やしたいらしい。
だが、ヘッジニーズの点で考えると現物の取引量が増えない限り増加は見込めないー要は一般的な景気施策を優先させたほうがいい。
また、中心市場ならともかくとしてそうではない市場が時間を延ばしたところで新たな参加者など望むべくも無い。ゴムは中心市場かも知れないが必要性を感じている国外企業は当然今までも玉を出している。
投機玉の点でも従来使っていた市場を使えばいいのであえて東京に玉をだす意味が無い。しいて言えばアービトラージを狙える状況ならばそうした玉がたまには出るだろう。
従来からの参加者も資金が有限だから日計り族以外に関しては取引量はあまり増えないし、彼らは一見派手だが取引数量自体は知れている。
端的に別の施策を平行して行い新規のー特に中小の当業者を呼び込めない限りは取り組みにはあまり変化はなかろうし、出来高は多少増えるかもしれない程度の効果しか期待できないと私は思っている。
・・・ってなことを数年前から去年の夏ごろまで経産・農水省や取引所には直間接うったえてきたんだけどなあ・・・
せめて帳入れを15:30なり15:00にして60分程度の休憩を挟んでー単に休憩だけではなく帳票業務に30~60分程度の時間がかかるからー2時間だろうと24時間だろうと好きなだけ商いしてくれる分にはかまわない・・・というかあきらめがついた。
しかしこの場合でも出来高が増えないと帳入れ以降の商いは言うに及ばず正規時間の取引の流動性の確保に問題が生じかねない。
じい様方の考えに薫陶を受けているせいかいささか偏ってはいるかもしれないが、それでも取引所とその監督省庁および金融庁の取引所改革に関する施策や計画は的外れなものが多いような気がする。
こんなことをやってるくらいなら先に税制上で申告分離課税にまとめて株と先物と為替信用取引の損益通算を認めることや、各取引所の取引端末および取引システムの一本化ー各取引所によって導入しているコンピューターのソフトやハードも違えば取引のルールも違う、各取引所の取引細則を丹念に読んでやれば一見同じザラ場でもルールがかなり異なることがすぐにわかるはずだーこのことで金融商品の取り扱い種類を増やすには別の機械を購入・リースして維持しないといけないし、制度をきちんと把握しないといけないー、各種金融商品の値洗いをプール計算化するなどちょっと変えるだけでかなり利便性が図れたり企業の負担を減らすことができたりできることがいくらでもあるというのに・・・