日米の景気動向を比較してみると・・・・

スケアクロウさん
スケアクロウさん
 ちょっと遅くなりましたが、3月31日に米国商務省が発表した2月の「製造業出荷・在庫・受注統計」(「製造業受注とも呼ばれ、事前に発表される「耐久財受注」の注目度が高い)を用いた全製造業在庫循環モメンタムも動きを見ると、次のようになっています。



 もう少し最近の動きを詳細に見ると、在庫循環モメンタムの底打ちが鮮明に見られます。



 簡単なシミュレーションで今後の動きを予想すると、多少モタつく局面もありそうですが、底打ちの基調に変化はなさそうです。



 なぜ米国の動きに注目するのか? 日米の連動性が高いためです。



 そうであるならば、日本も米国と同じように底打ちの動きとなるのか?東日本大震災による影響のため、そうはいかないようです。日本の指標が下方に乖離する可能性が高そうです。その日本の今後の動向は、原発問題が進行中であり、予測は非常に難しいと考えます。

 そこで、日米の在庫循環モメンタムの動きを長期的に比較して、乖離の局面を観察してみたいと思います。



 目立つのは1990年台初頭。背景は日本の資産バブル崩壊。次に2005年から2008年あたり。背景は米国のサブプライムローンの拡大と急速な悪化。その他の期間は、非常に高い連動性が見られます。

 となると、今回はどうやら日本の下方乖離が避けられないようです。景気と株価の連動性を勘案すれば、日本の株式市場は米国に比較して停滞する局面が懸念されます。

 ドル円が円安に振れても、日経平均株価の停滞が目立つのは、このあたりも影響しているのではと考えています。極端に悲観する必要はないかもしれませんが、単純に大震災でマーケットが急落した反動が続いて元の水準に復帰すると期待するのは危険な気がしています。

 ただし、日本再生という観点から、長期的な株価上昇シナリオは簡単に揺らぐことはなさそうですので念のため。復興需要だけでなく、東京電力のおかげで、エネルギー効率の高い競争力のある製造業の復活を期待しています。

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