<大震災による生産拠点への大きな被害は無かった>
東日本大震災(以下大震災)により、栃木四輪開発センターにおいて、壁、天井、設備などの損傷が発生した。しかし、国内生産拠点については生産活動に影響
を及ぼす大きな被害はなく、取引先生産との連動を採りながらの稼働となっているもよう。但し、開発センターの修復費用や震災後の稼働低下の影響が11/3
期、12/3期業績に影響しよう。
<11/3期は計画並の着地となったと見る、新興国が好調>
11/3期は3Q累計(4-12月)決算公表時に上方修正の計画線で着地したとTIWは予想。上方修正は3Q(10-12月)の上ぶれの上乗せに止めたと
見られ、4Q(1-3月)は最終赤字の見通しとなるなど計画保守性によるバッファーで震災後の影響を吸収したと見ている。なお、同社は11/3期に入り3
度通期計画を上方修正するなど、業績はV字回復を見ているが(1)新興国四輪、二輪向けの好調、(2)生産体質の改善と事業運営効率化による先進国収益の
改善、などが背景。因みに3Q累計の調整前営業利益は81億円(前年同期▲32億円)となったが、内、南米、アジア、中国で78億円を稼いだ。
<新興国二輪向けが強み、株価は市場平均を上回るだろう>
12/3期業績予想は大震災影響が不透明なため暫定的に前期並とする。想定される国内悪化は高採算の新興国二輪、四輪向けがある程度補うだろう。株価は市
場平均を上回る展開を見込む。(1)自動車部品セクター内で新興国二輪向けの存在が評価される、(2)収益体質強化が進んだ、(3)株価の大幅な清算価値
割れ、などが理由である。主要取引先の生産減、原材料高、円高、不具合発生、などがリスク要因。(高田 悟)
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