3/22雑感(大震災後の動き)

MDRさん
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先週の株式市場は震災の影響で大きく動きました。
原発不安からくる外国勢の資金引き上げの影響から大きな下落で始まり、投機筋の円買いによる戦後最大の円高、そしてG7介入発表に伴う急激な円安と株の上昇というめまぐるしい動きとなりました。
ファンダメンタルや各国政府の動向について詳しい人であれば投資のチャンスとなった可能性もありますが、一般投資家にとっては手を出さない方が無難な相場だったと言えるでしょう。今週も同じような相場環境が続くと予想されます。特に、震災の影響で動揺している心理状態の中で、ボラティリティが非常識に大きな相場に対して投資を行うことは自殺行為となりかねません。普段であれば正常な判断を下すことができる人であっても、心理状態によって妥当な判断を下すことができなくなるということはよくあります。このような状況下では買わないことが大前提で、すでにポジションを持っていた場合は一旦手仕舞って仕切り直すという選択も重要です。
システムトレードの場合はこの限りではありませんが、元々自分の性格と合致していないタイプのシステムを運用していた場合、精神状態が安定していないと売買指示に従うことができなくなってしまう可能性もありますので、難しいと感じる場合には一旦運用を停止することも自分の資産を守る重要な手だてになります。
現在の相場環境で買いサインの出るシステムは逆張り型のシステムとなりますが、もう少し時間が経って今後の動向が見えてくれば順張り型のシステムもサインを出し始める可能性が高いでしょう。一方トレンドラインで見ますと、今回の大幅下落で中期、長期のトレンドから外れた動きとなってきています。昨年11月からの中期上昇トレンドは完全に崩れた形ですが、2009年3月からの長期上昇トレンドは一旦崩れたものの週足で見るとパニックによるオーバーランでま たトレンド圏内に戻そうという動きに見えないこともありません。この後、9,400円台にある長期トレンドの下のポートライン内に戻ってこれるか否かが今 後のトレンド動向を左右する可能性が高いので、この価格帯近辺の動きには注意しておきましょう。
今週の指標はアメリカで水曜日に2月の新築住宅販売件数が発表されます。また、国内では木曜日に貿易統計、金曜日には消費者物価指数の発表が予定されています。いずれも重要な指標であることに変わりはありませんが、国内市場に関しては福島原発の動向や東北に生産・サプライの拠点を持つ企業の活動状況の方がより大きな影響を与えることとなりそうです。海外市場に関しては軍事介入の始まったリビア情勢の影響の方が大きいと考えられますので、リビア関連のニュースも見逃さないように気をつけましょう。
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