弁護士のリスク管理

八歩さん
八歩さん

私は、南国九州の気候的には極めて温暖で穏やかな土地で育ちました。 警察沙汰の事件や事故というものが、ほとんど思い当たらないような土地柄でした。まして、裁判沙汰になるようなもめごとは人生においてほとんど無縁という感覚でした。だから、大学進学で東京に来た時には、周りの大人たちから相当に脅かされました。 契約書のごくごく細かい文字まできちんと読まないと、そこに大変なことが一行埋め込まれただけで、身の破滅だからね、とか、都会の人は皆、生き馬の目を抜こうとしているんだからね、これからは、田舎の感覚ではだめなんだよ・・・・よく、わからないけど、テレビで見るとそういうことになってるよ、という、これまたよくわからないアドバイスをしてもらったことを覚えています。だから、自分で下宿先を探して、不動産屋と契約するときは、ものすごく緊張しました。今でも年賀状のやり取りをしているくらいに、下町気質あふれる街並み(中野が下町かどうかというと、下町じゃないけど、庶民的な商店街気質はあふれてました)で、みなさん商売やお勤めをしています。私は、大学では経済学部のコースだったのに、興味の赴くままに法律の単位ばっかりをとり、経済学部の学生としては、経済の単位が気が付いたら不足していて、一年卒業延期せざるを得ませんでした。なんか、そういうのんきな時代でした。それは、上京する時に、法的なリスクを強烈にふきこまれて、「無知って怖いなぁ」と思ったからだと思います。だから、法律豆知識みたいなパンフレットや、テレビ番組の法律相談が好きだし、立川の法律事務所が二か月に一度無料で開催してくれる法律講座は、手帳に予定として入れていて、楽しみにしているんです。先月末の法律講座が、あまりに面白かったので、このブログでは初めてだと思いますが、記事として取り上げたんです。「遺言・相続」というタイトルです。(よかったら読んでください)この演者の先生にも「こんな感じで紹介しました。」とご連絡したところ、「講座の雰囲気が写真ならつかみやすいので、良いPRにもなります」というお礼と同時に、人が特定できないように処理してほしいということを頼まれました。一般企業の勉強会風景というのであれば、この程度の顔だしや、出席者の後ろ姿は、全然OKだと思っていたので、どうしてだろうと疑問に思いました。ところが、市民弁護士事務所や、町の法律家としての弁護士はけっこう危険な目に会うことも多く、依頼者のために仕事をしていることで、命の危険にさらされることもあるんだそうです。法的な争いは、大きなお金や、人の一生をかけたものになるだけに、依頼者のために一生懸命に仕事をするということは、争いの相手から見ると、余計なことをしやがって、という逆恨みにもつながるわけです。 離婚調停を進めていた弁護士だったか、事務員さんだったかが、刺されたという事件は、何件かが記憶に残っています。 来場者が誰だか特定されないようにするというのも、その方を少しでも危険にさらさないための配慮だということを知りました。で、写真は、ちょいと細工をしました。こんなもので、いかがでしょうか。こないだの講座はとても面白かったので(面白いなんて言うと不謹慎かなあ)私としては、ぜひ、書き残しておきたいんですよね、写真とともに。
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