3/8雑感(上昇トレンド)

MDRさん
MDRさん

先週は先々週の下落を取り戻す反発となりました。昨年11月から続く上昇トレンドは強力で、下側のサポートラインをなかなか割り込まない推移が続いています。調整の度に買い支えているのは個人投資家のようで、売買動向を見ると押し目に個人投資家の買いが集中しています。それ以外の時の個人投資家は売り越しが多いのですが、トレンド自体は外国人投資家が支えているようで、週単位で見ると外国人投資家の買い越しは4ヶ月近くも続いている状況となっています。
日本株に資金が流れ込んでいるのはリーマンショック以降の出遅れと、中東で続く政局不安が背景にあります。昨年何度も行われた金融緩和で市場には資金があふれており、そのうちの多くは新興国に向かっている状況でした。しかし新興国政府もインフレを警戒した政策を打ち出し、新興国市場もすでに飽和しつつあります。この状況の中で相対的にまだ株価上昇率が低い状態にあり、かつ政局的にも安定している日本に資金が向かっているというのが現在の相場状況と言えるでしょう。中東不安で心配される原油価格に関しても、日本は原油の備蓄率が世界一であるため影響を受けにくいと考えられているようです。
このような背景の下日本株には資金が流れ込んで上昇していますが、気をつけなければならないのは日本株に積極的に買う理由があっての上昇ではないという点です。緩和された金融政策はいずれ必ず引き締められるでしょうし、日本国内に悪い材料が出ればすぐさま資金の引き上げが行われる可能性は高いと言えます。特に、現在市場に流れ込んでいる資金は投資というよりも投機により近い性格のものであり、トレンドの方向が下落に変わった場合は大きく、急な下落となる可能性がありますので注意が必要です。
現在の価格帯は十分に高い水準にあり、いつトレンドの転換が起こっても不思議ではありません。押し目で買う場合でもすぐに損切りができるよう、準備しておく必要があるでしょう。ファンダメンタル要因まで含めて考えると、リスクを低く抑えたいのであれば投資すべきタイミングではないと言えます。
今週は水曜日に機械受注統計が発表されます。予想では3.3%の増加となっています。続く木曜日にはGDPの二次速報値が発表となります。予想値は-1.2%で、0.1ポイントの下方修正です。いずれも重要な指標のため、予想値との乖離がないか見ておきましょう。海外では金曜日に中国で生産者物価指数と消費者物価指数が発表になります。これらに比べると欧米ではあまり重要な指標の発表は予定されていません。
MDRさんのブログ一覧