「理想の馬鹿」
著者:モンキー・E・マサ
「第1章 決意」
<未来描写>
2016年2月25日から26日に日付けが変わろうとしていた。
眠らない街東京の中でも一際目立つ超高層ビルの最上階『ラウンジ VXON』に2人の男がいる。
『ラウンジ VXON』は、東京の中でも3本の指に入る高級店でいかにもセレブ以外立ち入り禁止!!
雰囲気と内装を身に纏っている。
照明は、星空の見えない東京の夜空なんてあざ笑うかの様に無数のシャンデリアによって反射した光が照らし、生演奏のクラシックジャズが心地よい空間を作りあげている。
そんな所に2人の男はいる。
「ついに、来たな。」マサが言った。
「そうですね。」 微笑んでカイが答えた。
二人はそこで祝杯を上げていた。 いつもは、男二人でこんな高級な店なんて絶対に来ない。
どこをどう捉えたってキレイなお姉ちゃんと二人で来た方が僕にとって利得があるから。
でも今日だけは特別だ。
5年前に2人は夢への経由地として一つの目標を掲げた。
その目標を達成した達成感と5年前には来る事すら出来なかった店で当たり前の様に座っている。
その変化こそ、必死で何かをやり遂げた者にしか齎されないご褒美だった。
それを心の底から実感したかったんだ。
つづく・・・