ポイント
原油価格の高騰と円高の進行で、日経平均株価は3桁の大幅な下げとなってしまいました。予想を上回る下げでした。ザラバでドル円が円高に振れ、特に大引け前に82円を切って81円台に入った為替の動きは、正直なところ想定外でした。現在、米株先物は軟調な推移で、円高気味な為替の動きも続いています。明日の日経平均株価には厳しい展開です。
日経平均株価を振り返る
45円安で寄り付いた日経平均株価は、前場では軟調な局面を見せながらも、ほぼ寄り付きの水準を回復して終了しました。ところが午後になると、再び調整色が強まり、大引け前にかけて急速に下げ幅を拡げ、126.39円、1.19%安で終えています。
WTIの原油先物価格が100ドルを上回ったことがマーケットを揺さぶりました。
国際石油開発帝石が、マーケットの大幅な下落にもかかわらず、1.77%の上昇となったことが、石油価格高騰のショックの大きさを示唆しているようです。そのように見ると、後場は大きく上げた後は反落に転じていますので、日経平均株価の後場の下げの最大の要因は原油の高騰ではなかったかもしれません。
円高に振れていたドル円が、午後に入って一段と加速して、大引け前に1ドル81円台に突入したショックが、どうやら最大の要因であったと見られます。
TDKの株価をみると、前場で一時持ち直しの兆しが見えたのですが、後場に入って再び停滞色が強くなったのが印象的です。
昨日も指摘したのですが、中東・北アフリカの地政学的なリスクが強く意識される状況で、ユーロや円が買われ、ドルが売られるという展開が、想定外でした。ユーロはインフレ懸念を背景とする金利上昇期待があるのですが、円がドルに対してそれほど信任の厚い通貨であるのかどうか・・・・・?
中東・北アフリカの動揺が、基軸通貨ドルの位置付けを大きく変える事態を懸念している可能性もあります。ユーロ高、円高という問題より、ドル安の問題とみる必要があるかもしれません。
海外市場の動向
アジアは軟調です。香港、インドネシア、マレーシアが1%を上回って下落しています。上げているのは上海(+0.58%)。
欧州も下げています。ドイツ、スイスが1%を上回る下落になっています。スイスは日本と同様に通貨高の影響が大きいようです。一方、ノルウェーやスウェーデンが上昇していますが、原油価格上昇の恩恵があるようです。
GLOBEXでは、ダウ(-51ドル)、ナスダック100(-14.25ポイント)と軟調な推移です。
今日は週間ベースの新規失業保険申請件数、1月の耐久財受注と新築住宅販売統計など気になる経済指標が続きます。
ドル安の進行に対してポジティブな反応も見られず、マーケット・センチメントは弱いようです。
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