先週から昨日にかけての日経平均は上昇し、9ヶ月半ぶりの高値水準となっています。先週に引き続き、長期トレンドラインの中ではまだ安い水準にありますが、中期のトレンドラインで見ると、そろそろ手仕舞いの戦略を考えながら慎重に買うタイミングとなってきています。具体的には11,000円程度のラインに上値を抑えるラインがあります。大きな材料が出てこの価格帯を一気に抜けられればさらに続けて上昇する可能性もありますが、現在の中期トレンドの勢いはあまり強くはありませんので、この価格帯での値動きは慎重に見極める必要があります。
もっとも、長期のトレンドフォロー戦略であれば中短期の下落はあまり問題になりませんので、深く考えずに今のタイミングで買ってしまっても問題はないかもしれません。この場合は、一旦やってくるであろう下落のタイミングを、調整で終わるのか、トレンドの転換点になるのかを見極め、調整であれば損切りをせずに、トレンドの転換点と考えられる場合は損切りをする必要があります。システムトレードの場合は論理的にあり得る調整の幅を計算してそれよりもやや下に損切りを設定することで、このような判断を自動化することが可能です。トレードシステムには買いのタイミングで勝率をコントロールするものと、この例のように買いのタイミングに関わらず手仕舞いの戦略で利益とリスクをコントロールするものがあります。どちらも有効な戦略ですが、現在の相場状況では後者のタイプのシステムのほうが利益を出せる確率が高いといえるでしょう。
今週の指標は昨日2010年10月~12月の実質GDP速報値が発表され、内容は年率で1.1のマイナスとなりました。5四半期ぶりのマイナスに沈みましたが、市場予測はより大幅なマイナスとなっていたため、株価下落の要因としては見られなかったようです。今日はユーロ圏でもGDPの発表が予定されていますのでチェックしておきましょう。また、昨日から今日にかけて金融政策決定会合が行われています。今回の会合でも特に大きな動きはないものと考えられ、株式市場に与える影響は限定的となりそうです。
今日から木曜日にかけてはアメリカで重要指標の発表ラッシュとなります。まず今日はニューヨーク連銀製造業景気指数、1月の小売売上高が予定されています。製造業景況指数は14.5、小売売上高は+0.6%の増加と予想されています。明日は特に重要な1月の住宅着工件数の他に鉱工業生産の発表も控えています。予想値は住宅着工件数が53万7千件、鉱工業生産が+0.6となっています。明後日は1月の消費者物価指数とフィラデルフィア連銀景況指数が予定されており、消費者物価指数は0.4%の上昇、景況指数は20.2という予想になっています。