先週の日経平均は小幅なレンジ内で推移する、方向感のない展開でした。これといった材料がない状況の中で為替に引っ張られて株価が動いていましたので、為替を見ていればある程度は動きが読める状況でしたが、大きな利益は狙いにくい値動きでした。
日経平均は先々週三角持合を上に抜け、先週の雑感では三角持合上抜けとはいっても急な上昇は期待できず、上昇は緩やかになると予測しました。実際のところは木曜日に上昇する気配は見せたものの、金曜日には利益確定に押されて週初めの価格帯に戻す動きとなり、結果として狭いレンジ内での面白みにかける展開で終わりました。テクニカル的な経験則から三角持合は抜けたものの、次の足がかりとなる材料がないために伸び悩んでいるように見受けられます。
先週の時点ではある程度判断材料になる三角持合離脱や統計数値がありましたが、今週は材料に欠けるため予測の難しい状況にあります。このような状況下ではポジションを持つことはお勧めできません。常に何らかの取引をしていないと資金を眠らせてしまってもったいない、と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、こういった相場環境では様子見というのも重要な戦略となります。価格変動の方向性に根拠をもたないでトレードを行うと、自信が持てないために判断を誤ってしまうこともよくあります。もちろん、今利益を出せるという確固とした材料と技術があればその限りではありませんが、多くの方にとって今は自分のレベルに合った、自分が利益を出せる相場環境になるまでポジションを持たない、ということが最善の選択となるような相場環境といえるでしょう。
現在のような相場環境で買いシグナルの出るトレードシステムは勝率があまり高くない傾向があり、運用するのが難しいタイプです。しかもそのわりには得られる利益もあまり大きくないため、システムトレードでも今の相場環境で投資を行うことにうまみは少ないと言えるでしょう。
今週の指標は、今日の午後に日本で11月の鉱工業生産指数と12月の工作機械受注統計の発表があります。また、海外で特に重要なのは水曜日にアメリカで発表される住宅着工件数でしょう。予想では55万件となっています。翌木曜日には中国で10~12月のGDP、12月の鉱工業生産指数、同じく12月の小売売上高と重要指標の発表が相次ぎます。すべて前年同期間比でGDPは9.4%増、鉱工業生産指数は13.4%増、小売売上高は18.8%増が予想されています。この日はアメリカでも489万戸増が見込まれている中古住宅の販売件数統計と、0.6%の増加予想となっている景気先行指数の発表があります。時差のある中でたくさん発表されるためチェックが大変ですが、いずれも重要な指標となりますので取りこぼしのないよう、確認していきましょう。