ポイント
弱い経済指標が続いたにもかかわらず、ダウ平均株価は小高く終えています。強力な金融緩和政策がマーケットを押し上げている構図が垣間見える展開でした。
米国マーケットの動向
停滞気味にスタートしたダウ平均株価でしたが、午後に入ると基調が強まり、20.51ドル、0.18%の小幅高で終えました。
10月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数と12月のコンファレンス・ボードによる消費者信頼感指数が相ついてコンセンサスを下回ったことが、マーケットの重石になったようです。
しかし、金融緩和政策の強力な支えで弱い経済指標を厭わない、というよりむしろ好感するという動きが次第に鮮明になりました。
年末商戦の好調さが伝えられ、米国経済の回復期待がマーケットを押し上げたとする見方もあったのですが、0.64%下落した百貨店メーシーズの株価が示唆するように、必ずしもそうとばかりは言えないようです。
むしろ、弱い経済指標を背景に、量的緩和政策の持続への期待感が強まったことが大きかったように思います。
流動性の経済への注入が原油や金など国際商品市況を押し上げました。 エクソン・モービルが0.56%上昇したのが象徴的な動きでした。
産金会社ニューモント・マイニングも2.43%上げ、マーケットを支えています。
VIX指数は0.85%と僅かに下落したのですが、ザラバの様子を見る限り投資家のセンチメントは、年末商戦の好調さから、景気の回復期待が高まったというような明るいものであったとは言い難い気がします。
日経平均株価への示唆
ダウ平均株価の上昇が日経平均株価に与える影響は限定的と見られます。
ただし、経済指標が弱くてもマーケットは下げないという安心感が、日経平均株価を下支えする要因の一つになりそうです。
蛇足ですが、量的緩和政策が続いている間に実体経済が期待に見合うような回復を見せれば、米国マーケットの上昇が続くと考えられますが、どうもその可能性は高くないようです。一時的にかなり大きな反落局面があるかもしれないということです。
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