今週で2010年も終わりです。今年の投資はどんな成績だったでしょうか。今年の株価は例年にない珍しい動き方をしており、日経平均を見ると値が上がっているのに個別の銘柄は下落していたり、その逆だったりということが起こりました。このため、システムトレードでも売買条件に日経平均を利用するものを中心に昨年までのように利益が出せず、このタイプのシステムを運用中の方にとっては厳しい一年となったのではないでしょうか。また、逆張り型のシステムでも、タイプによっては例年通りの成績が出せていないケースが多かったようです。
このような状況の中、年明けを契機に運用システムを変えようとお考えの方も多いかと思います。もちろん頻繁に運用システムを切り替えるのは論外ですが、例えこれまで実績のあるシステムであっても、今後の相場状況に合わないと感じたら切り替えるという選択は重要なものです。冒頭に書いたような状況は株式市場そのものへの大きな資金流入が無く、株式市場内で資金が循環しているために発生していると考えられます。今後もこのような状況が続くと考えるのであれば、今年利益を出せなかったシステムを切り替えるという選択を取ることになりますし、逆にこの傾向は今年だけの特殊なものであると考えるのであれば、来年以降も現在運用中のシステムを選択するということになります。
決して「利益が出せなかったから」という単純な理由だけでシステムを切り替えないようにしてください。完璧にシグナルに従っているのにシステムが有効に機能しない事態が発生した時には必ず理由があります(ただしそれはマトモなシステムに限られる話ですが)。もし自分のシステムが機能しなくなったときにそれがなぜなのかわからない、そもそも自分のシステムがどうして利益を出せるのかわからない、というときはシステムトレード自体を考え直すべきかもしれません。システムトレードで資産を運用する場合、システム選択の時点でそのシステムがなぜ機能するのか、どんなときに機能しなくなるのかを十分吟味する必要があります。自分で構築したシステムであればシステム作成の時にそれはわかっているはずですし、誰かが作成したシステムで、それが真っ当なものであればシステムの解説書に説明があるはずです。ただ利益率だけを見てシステムを構築・選択し、他に気を払わなかったということであれば、それは健全なシステムトレードとは言えないでしょう。年末年始という良い機会ですので、ご自身で運用するシステムがどういうものなのか、今一度確認してみることをお勧めします。
さて、今週の重要指標は今日に集中しています。特に国内での11月失業率、CPI、鉱工業生産が重要といえるでしょう。アメリカではケース・シラー住宅価格指数の発表もあります。大納会も間近に迫っていますが、最後まで気を抜かずに相場に望んでください。