昨日は会社四季報の発売日でしたね。ファンダメンタルズ要素を売買判断に用いないシステムトレーダーにとっては業績情報はあまり重要ではありませんが、リスク回避の意味で買いサインがでている銘柄であってもても疑義注記のある場合は買わない、というようなルールを作っている方も多いかと思います。教養や読み物という意味でも四季報はおもしろいので、市場に参加している方はぜひ手に取られてみてはいかがでしょうか。
さて、先週の日経平均はまた戻り高値を更新してきました。一方、市場の細かい動きを分析してみますと個別の銘柄は大きな値動きをしているものも多く見受けられます。この状況をから考えますと、市場に対して新たな資金の流入はごくわずかで、ある銘柄を売った資金が別の銘柄に流れるという形で値動きが起きているものと思われます。結果として個別の値動きは大きく、全体(日経平均)は小動き、という状況になっているのではないでしょうか。
戻り高値を少しずつ更新しているとはいえ市場への新たな資金流入が大きく起こっていないということから考えますと、ここしばらく書いてきている通り、買いの判断はお勧めできない状況といえます。150%でかなり危険といわれている騰落レシオもついに160%台に乗せ、いつ下落に向けた大きな動きが発生してもおかしくはありません。リアルタイムで相場に向き合っていて、的確に損切りできる方であれば利益を出すこともできるかもしれませんが、出せたとしても数パーセント程度の利益でしょうし、その数%のために一般投資家がとるリスクとしては、現在の相場環境での買いは危険すぎます。
さて、今週は今日FOMCが開催されます。現在の異常ともいえる上昇相場の引き金となったアメリカの追加緩和が決定されて以来の開催となります。各国からは実質的ドル安誘導に対する批判が出ており、過剰流動性の影響で新興国の株が暴騰するといった影響が出始めていますので、追加の措置が発表される可能性は低いとは思いますが、発表の内容は確実に押さえておく必要があるでしょう。
また、15日には日銀短観とアメリカの消費者物価指数、製造業景気指数が発表されます。いずれも足元の景気について判断する指標になりますので、内容によっては今後の株価動向に与える影響が大きいと思われます。翌16日にはアメリカの11月住宅着工件数が発表されます。この指標は足元だけではなく今後の動向を占うのにも重要な指標ですので是非注目しておいてください。同日、EUでは緊急の財務相会合があります。指数をみると現在欧州はアイルランドだけではなくさまざまな国で危機が進行していますので、こちらも見逃せません。
今週は頭打ち感の見える株価と、それを左右する可能性のある発表や動向が複数あります。株価の大きな動きが出てくる可能性もありますので、十分注意しておいてください。